@機芸出版社の『レイアウト』シリーズ 前ページへ 表紙へ
  私が本格的に鉄道趣味を始めた小学校5年生の時、初めて購入した鉄道模型の本が機芸出版社刊『レイアウトモデリング』です。これは1960年代半ばから70年代初めにかけて、月刊『鉄道模型趣味』誌(略称TMS)に掲載されたレイアウト製作記事をまとめた本でした。
 同時期の記事で高度なものをまとめた本が同社刊『レイアウトテクニック』で、それよりやや前のレイアウト記事は『レイアウト全書』に収録されていましたので、同年中にこの2冊も続けて購入しました。
 この3冊は、いずれも現在絶版となっていますが、一読するだけで日本のレイアウト史を概観できる良書で、製作記事も模型製作の基礎から応用まで理解できる素晴らしい内容でした。
 特に、模型製作に必要な実物観察と知識、センス、製作姿勢とそれを裏付ける哲学まで深く掘り下げた記事が多く、私はここで模型製作の基本姿勢を学ばせていただきました。
 むろん、今日的な視点で見れば、技術的には古い部分も多々あります。オガクズや鉛筆の削りカスを使った雑草、サロンパスのセロファンを使ったトタン屋根、スポンジをちぎって付けた樹木、自然の砂を使ったバラスト等は、今ならもっとリアルな製品が販売されています。でも、身近にある自然物や、生活廃品を活用して作った模型は、手作り感のある温もりあふれたものでした。この温かさこそが、模型作品にとって最も重要なポイントだと私は思います。
 3冊とも現在では残念ながら絶版となっていますが、鉄道関係を扱う古書店等で入手できますので、お持ちでない方はぜひ探して購入することをお勧めします。

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