D南六甲電軌 前ページへ 表紙へ
  機芸出版社刊『レイアウト全書』に掲載された16番ゲージレイアウト。表紙のカラーグラフも本作品です。その美しい光景は、子ども心に強く印象に残りました。
 もともとは彦坂正氏がご子息と一緒に製作なさったレイアウトで、後に河村かずふさ氏が譲り受けられました。
 『レイアウト全書』に掲載された記事はその当時のもので、「或るレイアウトの一日」と題し、河村氏らがレイアウト内を探検する楽しい紀行文でした。
 やがて河村氏がトロリーラインのレイアウトに改修し、南六甲電軌と名付けられたことが『鉄道模型趣味』誌1961年9月号(通巻159号)に掲載されています。
 その後も所有者が転々とし、一時期はかなり傷んでいたようですが、現在はレストアされ、2007年から国際鉄道模型コンベンションで展示されるようになりました。
 私も実物を拝見したのですが、何より印象的だったのは、設計とセンスの良さです。特に、小レイアウトの宿命といえる不自然な地形を目立たないように処理している点は、感嘆させられます。
 実は私の「上総鉄道」を設計する際、面積がほぼ同じ本作品を参考にしたのですが、この点では本作品に遠く及びませんでした。

 このページの写真は、2008年8月8日(金)東京ビッグサイトの国際鉄道模型コンベンション(JAM)会場にて、許可を得て撮影。
 50年くらい前の作品ですが、きれいに修復されています。

 『レイアウト全書』の表紙写真が実に美しく印象的だったので、上の写真はあえて同じ構図で撮影しました。

 右の写真は、反対方向から撮影したものです。


 「或るレイアウト」は経年変化のため、2012年に残念ながら解体されたそうです。
 でも、私が生まれるはるか前に作られた作品ですから、天寿を全うしたといえるのでしょう。
 小レイアウトにしては台枠がガッチリと作られていたそうですから、それが長持ちした要因かと思います。
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