エコーモデルのこと  前ページへ 表紙へ

 左の画像の上は、私が所有しているエコーモデルの開店5周年記念プレート。1978年10月20日の日付が入っています。

 下は、開店30周年の記念品。一見ペンケースに見えますが、実は工具セットです。中には、ピンセットやドライバーなどが入っています。

 いずれも軽便鉄道の混合列車がデザインされており、いかにも…という感じです。
 
 エコーモデルが、鉄道模型専門店として東京都板橋区に開店したのは、1973年10月20日のことだそうです。
 私が初めて行ったのは、その約4年後のこと。私は12歳の中学1年生でした。
 当時は、向かって右側が紳士服のお店「テーラー阿部」で、左半分を仕切って模型店にしたようでした。余談になりますが、近年発売されたエコーモデルの「アクセサリー用シールセット」の中に、「テーラー阿部」があります。
 ドアを開けると、入ってすぐにカゴがあり、「処分品」という札の付いたミニトリックス等のNゲージ製品が入っていました。今でこそエコーモデルと言えば日本型HOとナローゲージの専門店として知られており、「エコーモデル・その世界」展も「1/80の世界」と題していましたが、かつては1/150の世界もあったのです。
 道路に面したショーウィンドーには、機芸出版社刊『レイアウト・テクニック』でおなじみの城新鉄道の車輌やストラクチャーが並び、独特の雰囲気を醸し出していました。
 店主は、高名な阿部敏幸氏。少年だった私は、いささか緊張して買い物をしたのを覚えています。
 でも、阿部さんは私を子ども扱いすることなく、模型の技法を熱っぽく語ってくださいました。
 購入したのは、オリジナル製品第1号の「特製・ドラムカン」などでした。
 帰宅して早速『レイアウト・テクニック』を広げ、「ドラムカンの利用」を真似てアクセサリィを作りました。この時の作品の一部は、今もレイアウト「上総鉄道」の機関庫周辺に健在です。

 その後、お店は紳士服店の分を合わせて2倍の広さになり、やがて現店舗へ建て替えられました。オリジナル製品は膨大な種類で、いくつあるのか見当もつかないほどです。
 でも、昔と変わらないのは、阿部さんのパワーと、気さくで誠実なお人柄。私は30年後の今も、常連客となっています。
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