レイアウトの季節 前ページへ 表紙へ
 レイアウトの製作にあたっては、事前の計画が大切です。
 どの地方の、どんな地形に敷かれているのか。何を運び、どんな列車がどのくらい走るのか。どんな歴史があり、今の経営状態はどうか。そして季節は…。
 特に季節は、レイアウトの情景を大きく左右します。
 私の「上総鉄道」の季節は春。それも4月末の想定です。
 冬の枯れ草の間から、鮮やかな緑色の草が生え、一部で花も咲いています。房総半島ですから、特にこの時期は菜の花が目立ちます。
 
 雑草は、まず枯れ草として、乾燥させた水苔を固着し、その上からターフやコースターフをまいて表現しました。目立つところはミニネイチャーも使ってあります。背の高い枯れ草は、ネコジャラシです。
 菜の花は、エコーモデルのジオラマモスをバラして、上部にマットメディウムを付けて黄色のターフを固着し、それを一本ずつ手で植えてあります。
 築堤の草は化学雑巾ですが、そのままでは単調になるので、ドライフラワーなどで変化を付けてあります。
 樹木の葉は、本来もっと明るい色ですが、玩具的になりそうでしたので抑えめにしました。
 レイアウトの季節を語るには、坂本衛氏の「摂津鉄道」は外せません。いうまでもなく、日本のレイアウトで初めて、季節について真正面から取り組んだ作品です。
 広々とした苅田。点在する稲塚。道ばたの枯れ草。葉を落とした落葉樹。色づいた柿の木。
 晩秋の農村の情景が、見事に再現されています。

           (2010.8.21)
 大野雅志氏の「川越鐵道」も、季節の表現が秀逸です。
 このセクションは冬を題材としており、ドライフラワーを活用した落葉樹林が実にリアルです。
 化学雑巾を利用した枯れ草も、渋い感じでいいですね。
 からっ風が吹いてきそうな情景です。

 こちらも「川越鐵道」ですが、季節は夏。
 青空の下の、明るい日差しが感じられるような作品です。
 ストラクチャーも、Nゲージとは思えない作り込みがなされていて、ストーリー性もあり、ずっと眺めていても見飽きることがありません。
           (2013.8.18)
上へ
inserted by FC2 system