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 過去に製作したレイアウト3作をご紹介します。
 N、16番、HOナローと、スケールがバラバラなのはご愛嬌。今見ると稚拙な作品でお恥ずかしい限りですが、10代の少年が作った物ですので、ご笑覧ください。
@初代レイアウト (1977年製作)

 小学校6年生の時に製作した、Nゲージレイアウト。
 定尺ベニヤ1枚分のスペースに、トミーのCタンクやC型DL、レールバスを走らせる地方非電化私鉄風の作品でした。ストラクチャーはトミーと学研、レールは手持ちの積水金属「完成線路」を使用しました。

 線路配置はO+Pで手前に国鉄と接続している始発駅があり、エンドレスにホーム1本の中間駅があります。全体の配置と、ダイヤ運転も可能な点は、現「上総鉄道」と共通点が見られます。
 シーナリィはプラスターが入手できず、石膏で製作しました。樹木はライケンで作り、雑草は着色オガクズ等です。 

 レールの敷設が終わり、シーナリィを右写真の状態まで作ったものの、その後自宅を新築することとなり、引っ越しのできないレイアウトはあえなく廃線となってしまいました。

 もっとも今、当時の写真を眺めると、小学生がよくこんな物を作ったなぁと妙に感心してしまいます。
 上写真は始発駅。
 国鉄のキハ35-900+キハ20+キハユニ26がホームに停車中。
 ホーム手前の小さな客車は、何と自作。 
 
 上の写真はレイアウト全景。
A(旧)上総鉄道  (1978〜1983年製作)

 新居へ移ってから、屋根裏に新レイアウトを16番で建設しました。ゲージを変更したのは、スペースが広くなったことと、当時Nゲージの国産品の種類が少なく、特に地方私鉄風車輌となると上記3種類くらいだったためです。
 上総鉄道と名付けた新レイアウトは3.6m×1.5mの大きな物で、TMS360号の鯨川地方鉄道の影響を受けた電化私鉄でした。鉄道名はむろん、「摂津鉄道」の房総半島版、ということです。
 ちなみに「鯨川地方鉄道の車輌たち」は、過去のTMS誌上における車輌製作記事の中で、最も魅力的な記事だと思います。かの宮下洋一氏も著書『地鉄電車慕情』(ネコ・パブリッシング刊)の中で、同記事の影響により「地鉄電車」シリーズの製作が始まったことを述べておられます。

 さて私のレイアウトは、がっちり組んだ台枠にクッキーカッター方式のベースを乗せ、レールはピィコ製フレキシブル、シーナリィはプラスター、ストラクチャーは全て自作で室内点灯可と、かなり凝ったものになりました。

 しかし、狭い屋根裏でのレイアウト建設は困難を極めました。なにせ、普通の部屋なら5分で終わる作業に、1時間以上かかることも珍しくないのです。いくら暇な中学高校生といえど、労力の割には進歩しない建設に苛立ちはつのります。
 また、3方を壁に囲まれ頭上も制限されていたため、奥の方は手が届かず、線路の保守が問題になります。そこでレイアウト中央部を右写真の通り広大な水田とし、季節を夏として人工芝を貼り付け、その上に乗って作業しようと考えました。当時、人工芝をレイアウトに使用した発表記事はなく、独創的な名案ではあったのですが、これはアイディア倒れ。ストラクチャーが立ち並び、アクセサリィの配置が始まると、上に乗るのが難しくなったのです。特に架線柱や電柱が建つと、もう絶望です。
 レイアウトの奥では集電不良が続出し、ポイントの作動不良も起きました。まともに車輌が走らないレイアウトに、製作意欲が湧くはずがありません。

 結局、約5年間の工事の末、レイアウト建設は断念しました。
 ボンネットバスや下写真のバス車庫は、現「上総鉄道」で健在です。
B上総森林鉄道 (1984年製作)
 
 旧上総鉄道の失敗後、しばらくは放心状態でしたが、やがて気を取り直し、余った材料でHOナローの小レイアウトを作りました。上総森林鉄道と名付けた3代目レイアウトは幸いほぼ完成し、TMSの第7回レイアウトコンテストで準佳作をいただきました。
 全体の配置はエンドレスと中間駅、土場が基本。TMS448号P.31に上から撮った写真が出ていますので、お持ちの方はご参照ください。機芸出版社刊『301レイアウト』(絶版)にも収録されています。
 TMSのコメントに「この種のレイアウトにしては、シーナリィがプラスター製なのが珍しい」とありますが、何のことはない、挫折した大レイアウトの余り物を使ったためなのでした。

 このレイアウトは右写真の通り、今も健在です。ただ、破損箇所が多く、現時点では走行不能。いつの日か、修復しましょうか。

 なお、現実には房総半島に森林鉄道はほとんど存在しなかったのですが、子どもの頃、近所の製材所構内を縦横に走るトロッコの軌道を眺めながら育った私には、木材はナローで運搬するのが当然なのです。
 上下写真は、上総森林鉄道の現状。
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