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(3300系4連 京成津田沼 2011.5.8)


 京成電鉄もJRや他の大手私鉄と同様にステンレスカーばかりとなり、今ひとつ面白みがありません。
 そんな中、鋼製車として、車体更新車の3400系とともに、最後の孤塁を守っていたのが3300系です。
 3300系は、かつての「青電」や旧3000系の流れを汲む、丸みを帯びたスタイルです。線対称で張り上げ屋根の前面も、落ち着いた感じで好感が持てました。「赤電」とも呼ばれ、京成電鉄を代表する車輌でした。
 最後まで残ったのは4連のみで、普通列車以外の運用につくことはなく、地味な存在となっていました。でも、嬉しいことに末期には、3編成がそれぞれ異なる旧塗装に変更されました。
 左写真の旧塗装は、高校時代、通学の総武線電車からしばしば見かけた懐かしい色。私にとって京成電鉄といえば、何といってもこの色です。

(3300系4連 京成津田沼 2010.9.9)



 ベージュとオレンジを基調とする旧塗装は、よく目立ちました。都会でも田園地帯でも、沿線風景とよくマッチした色でした。
 3300系の、登場時の塗装でもあります。

(3300系4連 市川真間 2009.11.28)


 上の旧塗装の次が、この塗装。ファイヤーオレンジというのだそうですが、赤味が強すぎて、当時からあまり好きではありませんでした。同じ赤でも京浜急行のように濃い色なら良いのですが、この色は強烈で、何だか不安になるのです。口の悪い友人たちは、「赤字だから赤くしたんだろ」などと言っていました。
 左写真は、「特急」表示を出した臨時列車として走った時のものです。

(3300系4連 京成津田沼 2009.8.5)


 3種類の旧塗装のうち、最も古いのがこちらです。
 いわゆる「青電」で、目立ちませんが落ち着きのある塗装です。
 実際には3300系がこの色に塗られたことはなく、私の高校時代は千葉線に残ったツリカケ式の旧型車のみがこの色でした。

(3300系4連 京成金町 2009.11.28)

 末期の3300系の標準塗装が、左写真です。
 車内はきれいで加速も良く、まだまだ十分使えそうでしたが、残念ながら2015年2月末に引退となりました。

 3300系の引退後、京成最古参車輌となったのは右の3500系です。
 いかにもお金をかけずに造ったという感じの、安っぽいステンレスカーです。
 これはこれで、1970年代後半、オイルショック後の日本を象徴するような車輌ではあります。

(3500系4連 千葉中央 2015.2.21)

(3300系4連 市川真間 2015.2.28)


 2015年2月28日、3300系の最後の2編成が引退しました。
 最終日は2編成をつないで8連となり、上野発成田行き臨時特急「成田山」号として運転されました。
 沿線には膨大な人数のファンが並び、別れを惜しみました。
 さらば、「赤電」3300系。

(北総7260系8連 印旛日本医大 2015.3.15)


 こちらはオマケ。
 北総鉄道に貸し出され、7260系となった京成3300系です。
 本家と異なり8連を組み、京浜急行の羽田空港まで乗り入れていました。
 京急線内では快速特急となり、時速100kmを超える高速で走っていました。
 この編成も、2015年3月22日に引退し、京成3300系は全廃となりました。
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