東武鉄道6050系 2022.3.28 更新 前ページへ 実物鉄道へ 表紙へ

(6050系4連 栗橋~新古河 2019.7.30)


 近年の東武鉄道の車輌で、私が一番好きだったのが6050系でした。
 かつて日光線の快速用だった6000系の下回りを流用して製造された電車で、2扉セミクロスシートの車体は先代と同様です。
  高速でも安定した走りで、走行音も重厚でした。
 下回りが古いので、クハに乗車すると旧式コンプレッサーDH25の重々しい音と振動を楽しむこともできました。

 更新車は22編成44輌ありましたが新製車も11編成22輌あり、うち3編成は野岩鉄道、1編成は会津鉄道が所有していました。もっとも、運用は共通運用でしたが。

 2022年3月に東武鉄道と会津鉄道の所属車が定期運用を離れ、以後は野岩鉄道車のみの運用となっています。野岩鉄道の普通列車も大幅に削減され、僅か5往復。会津鉄道への乗り入れは廃止。東武鉄道への乗り入れは新藤原~鬼怒川温泉間1往復のみと、寂しくなってしまいました。

(6050系4連 栗橋~新古河 2019.7.30)


 2017年4月から2022年3月までは、日光線南栗橋以北で運用されていました。日光線と鬼怒川線の普通列車が主でしたが、日光線の急行と区間急行の運用もありました。
 急行と区間急行は4連で運用され、普通列車は4連か2連でした。

(6050系2連 東武日光 2010.9.19)


 2017年までは、日光線と鬼怒川線の全線で運用されていました。
 快速と区間快速が中心で、浅草を6輌編成で発車し、下今市で日光行きの2輌を分割、更に鬼怒川線終点の新藤原で2輌が分割され折り返し、残りの2輌が野岩鉄道経由で会津鉄道の会津田島まで乗り入れていました。
 他に、臨時の尾瀬夜行に使われた時期もありました。

(6050系2連 新藤原 2013.2.25)

(6050系2連 新藤原 2013.2.25)

 

(6050系2連・AT-502 会津田島 2022.2.26)

 

(6050系2連 会津荒海 2022.2.26)

   
 

(6050系4連 東武ワールドスクエア~鬼怒川温泉 2022.2.26)


 引退を目前に控えた2021年、6050系の2編成がリバイバルカラーと称して、6000系と同じベージュとマルーンに塗装されました。
 リバイバルといっても6050系がこの色になるのは初めてなのですが、落ち着いたツートンカラーはスッキリとした車体によく似合います。優等列車の貫禄も感じられました。
 いささか派手な通常の塗装より、この色の方が私は好きでした。

(6050系2連 新藤原 2013.3.12)


 行き先表示は昔ながらの方向幕。分割併合を頻繁に行っていたため、車内にも方向幕があるのが特徴です。

 

(新藤原 2013.2.25)


 6050系の車内はボックスシートがズラリと並び、国鉄の急行型や旧型客車のような感じです。座席の座り心地も良く、折りたたみ式の大きなテーブルも付いています。
 いかにも「旅をしている」という感じがして、良い車輌です。
 窓が大きくて、眺めも良好でした。

(新藤原 2013.2.25)

(下今市 2013.2.25)


 6050系の連結器はもちろん密着式で、電気連結器も付いているので、編成分割や連結の作業はあっさりしています。
 でも分割併合していた時代、下今市と新藤原では、やはり数分は停車していました。
 そのため、下今市ではその時間を利用し、駅弁の立ち売りが健在でした。

(下今市 2013.2.25)

(6050系4連 南栗橋 2022.2.26)


 6050系は地味な車輌で、従来は実物誌でもあまり取り上げられることがありませんでした。
 でも近年は『鉄道ピクトリアル』誌で特集号が組まれるなど、注目されるようになりました。
 実際、特別料金不要で気軽に乗れる電車としては、最良の部類でしたから。
 特に4扉ロングシート車ばかりの首都圏にあっては、稀少な存在です。
 ステンレスカーが行き交う中、貴重な鋼製車でもあります。

 野岩鉄道所属車の寿命も長くないのでしょうが、ぜひ同種の2扉車で置き換えてほしいものです。



 
 東武鉄道が鋼製車ばかりだった時代の写真は、次ページをご覧ください。

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