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(14系15形5連+14系座席車1輌 2007.8.2 諫早)


 京都始発の関西寝台特急の中で、最後まで残ったのが「あかつき」と「なは」でした。
 末期は「富士・はやぶさ」と同様、両列車の併結運転となっていました。
 当然、「あかつき」の佐世保行き編成は既に無く、長崎行きも僅か6輌の短編成でした。
 関西寝台特急はいずれも、遅い時間に出て、目的地へ朝に着く、という良好な時間帯を走っていました。週末や観光シーズンは乗客も多く、切符の確保が難しいほどで、当分は安泰だと思っていたのですが、意外と早く廃止されてしまいました。

(2007.8.3 長崎)


 長崎到着後、DE10に牽引されて引き上げる時の光景です。
 短編成化されたとはいえ、個室寝台が多く、シャワー室もあり、全体的に設備が整っていました。A寝台シングルデラックスにも乗車したことがありますが、広さも設備もアメニティグッズの内容も、「富士・はやぶさ」のシングルデラックスよりはるかに格上でした。
 最後部に座席車が連結されていたのも特徴です。写真で右側に写っている、塗装の違う客車がそれです。むろん、寝台券なしで乗車できます。乗車率は今ひとつだったようですが、宣伝の仕方や、企画切符の工夫次第では、もっと乗客が乗ったのだろうにと惜しまれます。

(2007.8.3 長崎)


 九州への寝台特急は途中に関門海峡があり、それを挟んでJR西日本側は直流、JR九州側は交流という電化方式の違いもあって、電気機関車を途中2回も付け替えなくてはなりません。そのため、人手と時間がかかります。むろん、コストもかさんだことでしょう。
 285系は交流区間へ入れないので電車化も難しく、「手間がかかって面倒だからやめてしまえ」となったのでしょうか。
 京都と長崎という二大観光地を乗り換えなしで結ぶ列車だっただけに、抜本的な改善が無く廃止されたのは残念です。「京都散策の翌日は、長崎だ」という私のように欲張りな観光客には、実に便利な列車だったのですが。乗り換えなしのメリットを外国人観光客へ宣伝する、という手もあったかと思います。

 趣味的には、編成が短い割にはバラエティに富んだ車輌が並び、機関車も3種類連結でき、まさに模型向きの列車でした。
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