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(EF64+14系15形8連 上野 2009.8.9)


 寝台特急「北陸」が廃止されました。北陸新幹線開通まで安泰だと思っていただけに、正直言って相当ショックでした。
 始発駅を深夜に発車し、目的地に早朝に着く「北陸」は一日が有効に使える上、安価で便利な北陸フリーきっぷで乗車できる実にありがたい列車でした。
 例によって乗客の減少が廃止の口実ですが、私が乗車したのはシーズン中だったためか、いつも「本日は、全車満席となっております」という車内放送が流れていました。何とも腑に落ちない廃止です。

(上野 2009.8.9)


 上野駅で、発車を待つ「北陸」。
 「北陸」の客車は、14系15形。以前は12連でしたが、末期は8連に短縮されていました。
 14系15形は分散電源方式なので、スハフ14に乗車するとディーゼルエンジンの音と振動が一晩中響きます。私のように気動車マニアは良いとして、一般の乗客は眠れなかったのではないでしょうか。
 分割併合するわけではないので、集中電源方式の24系25形で編成を組んだ方が良かったように思います。

(2009.8.10)


 「北陸」は寝台特急としては短距離の列車ですが、車内設備はとても充実していました。

 左は個室寝台ソロ。B寝台料金で乗車でき、「北陸フリーきっぷ」も使えます。ここで晩酌をすると、ご機嫌です。
 
 右はシャワー室。300円のシャワー券を買うと、十分すぎるくらいのお湯が出ます。私のようにハードな旅行をする人間には、ありがたい設備です。
 
 乗ったことはありませんが、A個室寝台にはテレビも付いていました。

(2009.8.10)

(金沢 2009.8.10)


 金沢に到着した「北陸」。
 交流区間はEF81が牽引します。
 撮影時刻は6:30。一日は、まだ始まったばかりです。

(金沢 2009.8.11)


 夜の金沢駅で、681系と並んだ「北陸」。
 JR西日本の新鋭特急と並ぶと、国鉄時代と変わらない「北陸」は、同じ特急列車とは思えない落差があります。
 まあ、趣味的にはそこが良いところなのですが。

(上野 2009.8.12)


 上野駅に到着した上り「北陸」。

 「北陸」の廃止理由には、車輌の老朽化も挙げられています。
 確かにそれは事実なのですが、他のほとんどの寝台特急と同様、車輌の新製が皆無で、ここ10数年は改装すらなされていない状況では、今さら何が老朽化だよとケチを付けたくなります。
 

(上野 1999.8.23)


 上の写真の10年前、同じ場所で撮影した写真。
 機関車も客車も、ものの見事に何一つ変わっていません。
 上記のように使い勝手の良い列車だっただけに、無策のまま廃止されたのは返す返すも残念です。

 北陸地方は、鉄道趣味の面で魅力的な路線や列車が多く、これまで再三訪問してきました。でも、「北陸」の廃止により、足が向かなくなってしまいました。
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