銚子電気鉄道 実物鉄道へ 2018.3.26更新

(デハ2002+クハ2502 犬吠〜君ヶ浜 2018.10.7)


 現存する電化私鉄の中で、私が最も魅力を感じるのがここ。小湊鐵道と並び、地方私鉄「らしさ」の残る最後の路線だと言えるでしょう。
 雑草の生えた道床に、歪んだレール。微妙に傾いた、木製の架線柱。私が子どもの頃、地方私鉄といえば皆、こんな感じでした。
 車輌は現在、伊予鉄道から来た元京王の2000形と3000形が走っています。カルダン駆動車ですが、私鉄の高性能車としては初期の車輌で、のどかな沿線風景によく似合っています。

 また、つい最近まで、ツリカケ駆動車が健在だったのも特筆されます。その頃の写真は、次ページをご覧ください。

(デハ3001+3501・デハ2002+クハ2502 笠上黒生 2018.10.7)

(デハ3001+3501 犬吠〜外川 2018.3.18)

(デハ2001+クハ2501 銚子 2013.8.9)

 
 2編成ある2000形のうち、デハ2001+クハ2501はグリーン一色の旧京王色に塗られました。
 登場直後は次ページのとおり鮮やかな緑色でしたが、次第にくすんだ色へ。
 まあこれはこれで、地方私鉄の雰囲気が出ていて良いのかな、と思います。

 2501は現在、銚子電気鉄道の旧旧塗装へ塗り替えられています。

 登場当初は京王色だったデハ2002+クハ2502は、銚子電気鉄道の旧塗装に塗り替えられています。

(デハ2001+クハ2501 銚子 2013.8.9)

(デハ2002+クハ2502 君ヶ浜〜海鹿島 2018.10.7)

(デハ2002+クハ2502 君ヶ浜〜海鹿島 2018.10.7)

(デハ3001+クハ3501 犬吠〜外川 2018.3.13)


 2000形に続いて伊予鉄道より譲り受け、主力車となったのが3000形。元京王の5000系です。
 この名車が、銚子電気鉄道を走る日が来るとは思っていませんでした。
 遠い昔、子どもの頃、新宿発高尾山口行き特急で活躍していた姿を、憧れの目で見ていた頃が思い出されます。
 塗装は「澪つくし号」色。京王色に塗ってもらえると、もっと嬉しいのですが。

(デハ3001+クハ3501 君ヶ浜〜海鹿島 2018.10.7)

(デハ3001+クハ3501 外川 2018.10.7)

(デキ3 現代産業科学館 2016.12.3)


 銚子電気鉄道の代表的車輌といえば、これ。デキ3です。
 有名ですから、説明の必要はないでしょう。
 写真は、現代産業科学館に一時的に展示されたときのもの。まさに貴重な産業遺産です。

(デキ3 現代産業科学館 2016.12.3)

(デキ3 現代産業科学館 2016.12.3)

(デハ2001+クハ2501・デハ801 外川 2013.8.9)


 終点の外川には、引退したデハ801が留置されています。
 以前は機回し線に留置されていましたが、その後、引き揚げ線へ移りました。
 
 現役時代から車体の痛みが目立っていましたが、引退後は外板の腐食が進行し、悲惨な姿となっていました。でも「銚商夢市場プロジェクト」によって2017年12月に再塗装され、きれいになりました。良かったです。
 なにせ長らく銚子電気鉄道の「顔」だった電車ですし、濡れせんべいの袋に描かれているイラストもデハ801と思われますので、今後もこの状態を維持してほしいものです。
 日中は、車内の見学もできます。

 デハ801の現役時代は、次ページをご覧下さい。

 他にも、廃車になったユ101が、笠上黒生の側線にいます。こちらもすっかり荒れ果てています。

(デハ801 外川 2013.11.18)

(ユ101 笠上黒生 2013.11.18)

(デハ801 外川 2018.3.18)

(デハ801 外川 2018.3.18)

(デハ1002 笠上黒生 2013.11.18)


 2013年11月21日のダイヤ改訂で、大幅な減便となりました。
 資金不足で、車輌の検査ができなかったためという報道もあります。
 減便の結果、笠上黒生での列車交換は朝のみとなり、日中のこのような光景は過去のものとなりました。
 朝以外は1編成による機織り運行となり、毎時ほぼ1本となってしまいました。
 利用しにくいダイヤとなり、今後が心配されます。

(デハ1002・デハ2001+クハ2501 笠上黒生 2013.11.18)


 その2013年には、自力での経営再建を断念した、と発表されています。
 その後、廃線の危機は免れたものの、苦しい経営状態は相変わらずです。
 東日本大震災の後、観光客が大幅に減少したのも一因ですから、国家レベルでの支援があるべきではないでしようか。
 税金や公務員賃金から回した復興予算を、無関係な事業に使っている例が続々と報道されていますが、そうした資金は公共交通機関の維持整備にこそ使うべきです。
 被災地の鉄道復旧はもちろん、間接的に大きな被害を受けた路線に復興予算を投入するのも、当然のことだと思うのですが。
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