大井川鐵道井川線 2016.8.27更新 前ページへ 実物鉄道へ

(DB9+スハフ4+スハフ6 土本 2009.3.28)


 ダム建設のための工事用ナローを改軌し、延長したのが井川線です。
 軌間は1076mmでもトンネル等の施設が軽便規格なので、車輌も軽便鉄道の雰囲気が十分に感じられます。
 沿線人口は極めて少なく、この写真を撮影した土本駅は、民家4軒、駅勢人口6名とのことです。

 DB1形は1952年、加藤製作所製のDB8と9が現存。機械式DLとして唯一の現役車輌です。2009年3月29日からの井川線ATS使用により、未設置の本形式は本線上の走行ができなくなりました。現在は、川根両国で入替に使用されています。
 スハフ1形は1954年、帝国車輌製。当初は作業員輸送用で、座席が板張りだったそうです。

  

(ED90+DD20+客車5輌×2 長島ダム 2016.8.21)


 現在の井川線は、千頭側にDD20が連結され、井川側はクハ600形が付きます。下り列車はクハから総括制御するので、機回しは不要となりました。
 間に挟まる客車は、バラエティに富んでいます。

(ED90+DD20+客車5輌 ひらんだ〜奥大井湖上 2016.8.21)


 井川線のアプトいちしろ〜長島ダム間は、現存する日本で唯一のアプト式鉄道です。これは長島ダム建設に伴い、急勾配の現路線が新設されたためです。
 この区間のみ電化されていて、編成の千頭方にアプト式機関車のED90が連結されます。

(ED901 アプトいちしろ 2016.8.21)

(ED90+DD20+客車5輌 ひらんだ〜奥大井湖上 2016.8.21)


 アプト区間を走行中の井川線列車。
 勾配も急ですが、断崖絶壁の途中に張り付くように走る姿は圧巻です。
 よくこんな場所に線路を敷いたものだと感心しますが、実はそれはアプト区間以外にもかなり当てはまるのです。
 今は無き千頭森林鉄道も、現役時代の写真を見ると、驚くような絶壁の途中を走っていたりします。
 それだけ、南アルプスの地形は急峻だということなのでしょう。

(ED90+DD20+客車5輌 ひらんだ〜奥大井湖上 2016.8.21)


 列車は長島ダムによってできたダム湖上を、長大な鉄橋で渡ります。
 この鉄橋はレインボーブリッジと呼ばれていて、観光名所の一つとなっています。
 長大な鉄橋を軽便サイズの小さな列車がゆっくり渡る姿は、なんともいえない趣があります。
 かつての木曽森林鉄道や神岡軌道などにも長大鉄橋がありましたが、こんな感じだったのでしょう。

(クハ603他 千頭 2009.3.27)


 下り最終列車。乗客は、私一人でした。
 井川線列車は終点側のクハ600形が後ろのDD20形DLを制御して運転します。

 ホームの高さが低いのが特徴です。まるで森林鉄道ですね。

(DD204他 奥泉 2009.3.27)

(スハフ503 千頭 2009.3.28)


 
 左写真のスハフ500形は3輌あり、自社工場で無蓋貨車を改造した客車です。


 
 右写真はスロフ300形。こちらも子会社が無蓋貨車から改造した客車です。

 

(スロフ312 千頭 2009.3.28)

(2009.3.27)


 客車の車内はこんな感じ。
 窓が大きく、見晴らしは良好です。
 でも狭くて、冷房もないので夏場はかなりの暑さです。

(2016.8.21)

(Cワフ1+Cワフ2 千頭 2009.3.28)


 貨車はいずれも、1954年の井川線全通時に、中部電力が新製した車輌です。
 
 記号のCは、中部電力の所有車であることを表しています。Cワフ2には、「休車中」の札が掛かっています。

(Cト105 千頭 2009.3.28)

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