津軽鉄道 実物鉄道へ

(DD352+オハフ33-1+オハ46-3 津軽五所川原 2010.3.27)


 北日本に残る非電化私鉄は、今や津軽鉄道のみとなりました。
 しかも、大手私鉄の系列に属さず、地元資本のみで経営されている、昔ながらの地方私鉄です。
 バス路線も持たず、ほぼ鉄道専業の状態で、よくぞ現代まで残っているものです。

(オハフ33-1+オハ46-3 津軽五所川原)


 車輌面ではこれまでずっと、保有するディーゼルカーが少なめで、機関車牽引の客車列車が補完してきました。
 これは、過去に多くの非電化私鉄で見受けられた傾向です。旅客の多い朝夕は客車を使用し、連結運転に適さず比較的高価な機械式ディーゼルカーは日中に単行で使用される、というわけです。津軽鉄道の場合、それに加えて貨物輸送が多めだったことと、冬場にラッセル車の推進のため機関車が必要だった点も挙げられることでしょう。
 現在も2輌のDLと3輌の客車が、1980年代以降は冬季の「ストーブ列車」として、観光客輸送に活躍中です。
 DLは新潟鉄工所製の35t機。客車は旧国鉄の半鋼製車です。

 

 オハフ33-1の石炭ストーブと、煙突です。

 オハフ33-1の車内と、手ブレーキです。

(津軽21-003他 津軽五所川原 2010.3.27)


 現在の主力は、津軽21形。通常使用されているのは、本形式のみです。
 新潟鉄工所製の、軽快DCです。

(キハ22027 津軽五所川原 2010.3.27)


 国鉄から3輌払い下げを受けたキハ22は、現在1輌残っていますが、休車中。ご覧の通り、再起の可能性は無さそうです。
 本形式の現役時代の姿は、次ページをご覧ください。

(タム501 津軽五所川原 2010.3.27)


 タム501は、気動車の燃料輸送用にやはり国鉄から払い下げを受けたタンク車です。今どき2軸のタンク車なんて、まずお目にかかれません。
 こちらも今はトラック輸送となり、休車中です。

(タム501 津軽五所川原 2011.12.24)

(トム2 津軽五所川原 2011.12.24)

 トム2とトム3は、いわゆる「観音トム」で、こちらも貴重な車輌です。
 側面のアオリ戸は木製ですが、中央部のみ鋼製で観音開きとなっています。
 よくまとまった好ましいスタイルで、私のレイアウトにピッタリ。いずれ模型化したいと思っています。

(トム31 津軽五所川原 2011.12.24)

(津軽五所川原 2010.3.27)


 ワム5の廃車体。下回りも健在で、現役時代とあまり変わっていません。
 津軽五所川原駅でホームに面して留置され、ストーブ列車用の石炭庫となっています。

(津軽五所川原 2011.12.24)

(ワム3 2011.12.24)


 左はワム3の廃車体。こちらも倉庫となっています。
 右はキ101。旧国鉄のラッセル車で、これも貴重な車輌。他には弘南鉄道に2輌いるだけです。

(キ101 津軽五所川原 2011.12.24)

(ナハフ1202他 津軽五所川原 2010.3.27)


 ナハフ1200形は、西武鉄道のクハを改造した客車。
 こちらも現状は、ご覧の通りです。

(ナハフ1202他 津軽五所川原 2011.12.24)

(DD352 津軽五所川原 2010.3.27)


 入替中のDD352。
 地方私鉄のDLらしく、ロッド式です。
 ロッドをチョコマカと動かしながら走る様子は、何ともいえない愛嬌があります。

(DD352 津軽五所川原 2011.12.24)

(津軽五所川原 2011.12.24)


 津軽鉄道は、ストラクチャーや沿線のシーナリィも素敵です。
 左は駅本屋。JRとは別に独立しており、独特の雰囲気があります。
  右は隣接する本社。こちらも味のある洋風建築です。

(津軽五所川原 2011.12.24)

(DD352+津軽21-002+オハフ33-1+オハ46-3 津軽中里 2010.3.27)


 津軽鉄道を取り巻く状況が極めて厳しいことは、容易に想像できます。
 乗客が自動車に流れるだけでなく、地域の人口そのものが減少しています。冬場の除雪費用も、かなりの金額になることでしょう。
 観光客などの定期外客を集め、鉄道関連商品を販売し、何とか存続しているわけです。
 非電化私鉄の愛好者としては、いつまでも変わらず走り続けてほしいと願うのみです。
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