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2015年8月31日に報道各社へ公表された、小湊鐵道の「里山トロッコ列車」は、大きな反響を呼びました。
なにせ、1977年製のキハ213・214以来、38年ぶりの新車です。
しかも、保守的な小湊鐵道にしては珍しく、観光客を集めるための新企画です。石川社長が7年前から計画し、各地のトロッコ列車を視察して実現したそうです。
概要を記しますと、SLを模した外観のDLが牽引する客車4輌で、中間の2輌が窓の無いトロッコ車輌です。
運転区間は里見〜養老渓谷間の9.2kmで、里見駅の整備が完了するまでは上総牛久〜養老渓谷間で運転します。期間は12月下旬〜3月上旬を除く年間180日程度。2015年9月10日〜11日に納車、試運転を経て11月15日に運行開始しました。
運賃は、通常運賃に加え、別料金で500円必要です。
4月に小湊鐵道からいただいた資料をもとに、計画の詳細を解説します。
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計画の発端は、風を切って走る軌道バイクの快適さだったとか。石川晋平社長はその昔、バイク乗りだったのだそうです。
客車はいずれも鋼製2軸車で、天井の側面寄りは、強化ガラス張りです。
中間の2輌は前述の通りオープンタイプで、両端は車掌室が付くハフと、運転室が付くクハです。
DLは外観が、かつて小湊鐵道で活躍した独コッペル社製C型SLを蘇らせたものとなりました。これは開業後に増備した、4号蒸機のことです。ボルボ社製クリーンディーゼルエンジン搭載です。
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計画時の編成は、こんな感じでした。実物は、ほぼこの通りの姿で登場しています。
客車の塗装は、むろんオレンジとクリームのツートンカラー。緑の多い里山に似合います。
製造したのは北陸重機。こうした小型車の製造は、お手のものですね。
同社は「碓氷峠鉄道文化むら」で走るトロッコ列車「シェルパくん」を製造していますが、それを4輌編成にした感じです。
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外観は蒸機でも中身はDLですが、観光客は気にしないでしょう。
本物の蒸機を走らせるには、億単位の資金と設備、資格を持った機関士が必要です。
そこを考えるとこの企画は、なかなかの名案だと思います。
蒸機の外観は、実によくできています。煙突から煙も出ます。
そもそも今どき、機関車牽引の2軸客車編成を新造すること自体、画期的なことです。
21世紀になって、2軸客車が4輌も新造されるとは思いもしませんでした。
平日は金曜日のみの運転で2往復、土休日は3往復運転です。
実物は、次ページに登場します。試乗会の様子です。
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