南部縦貫鉄道2018A 2019.1.14新設 前ページへ 実物鉄道へ 表紙へ

 午後になっても、天気は良くなりません。
 でも昼休みをはさみ、レールバスは再び元気に走り出しました。

 乗客は毎回、満員です。現役時代も、このくらい乗っていれば良かったのに、なんて考えてしまいました。

 レールバスはやはり、可愛らしい。腕木式信号機も、いい味出していますよね。

 車庫の方でも動きがありました。

 少し前から、車庫の中より響いてきていた2つのエンジン音のうち、1つめはこちらでした。

 多客時に走っていた、キハ104。元国鉄キハ10-45です。
 1980年、本車の登場で、予備車だった元常総筑波鉄道のキハ103が廃車となっています。
 私が南部縦貫鉄道を訪れるようになった頃は、既に多客時など存在せず、朝夕もレールバスでした。休止直前には急増した乗客のため走ったそうですが、私は見ていません。というわけで、キハ104の動くところは初めて見ました。
 改めてよく見ると、この塗装は結構似合っています。そしてやはり、車体が大きいですね。国鉄キハ10は、20系以降より車体幅が狭いのですが、比較の対象がレールバスですから。

 さて、もう1つのエンジン音は…。

 貨物輸送があった頃、D451の予備機だったDC251です。元羽後交通のDC2で、1959年協三工業製の3軸L型機。
 車体はいかにも協三工業らしい、すっきりしたデザインです。
 下回りはロッド付き。いいですねぇ。
 私のレイアウトにうってつけの大きさです。模型で作ろうかな。

 私が南部縦貫鉄道を訪れるようになった頃、貨物輸送は既に廃止されていて、本車とD451はいつも、構内で雨ざらしになっていました。だからこちらも、動くところを見たのは初めてです。

 車庫の中ものぞいてみましょう。
 奥の方には、D451がいます。開業時に新製した凸型DLで、期間2台搭載の強力機でした。
 右の線路には、除雪用モーターカーのDB11がいます。
 つまり、廃止時に在籍した全車輌が全て健在なわけです。

 それにしてもこの車庫内、いかにも昔の地方私鉄の機関庫ですね。

 やがてキハ101と102も並んで停車しました。
 列車本数が削減され、1運用になってからしか行ったことがない私にとって、写真でしか見たことの無い情景です。いいなあ。

 何度も乗車し、写真も一通り撮り終わり、イベントも終盤です。
 そろそろ帰りましょうか。
 皮肉にも、空は今頃晴れてきました。朝からこんな天気なら、もっといい写真が撮れてのに。

 再びタクシーに乗り、新幹線の七戸十和田駅に戻ってきました。
 周囲はそろそろ暗くなってきています。

 駅の2階から、野辺地方向を見ます。
 かつてこの写真の右側から左奥へ、斜めに横切る形で南部縦貫鉄道が走っていました。そして写真の真ん中あたりに、営農大学校前停留所がありました。
 もし東北新幹線開業まで健在だったら…この近さを見ると、残念でなりません。
 現在、七戸十和田駅にはバス以外、公共交通機関がありません。南部縦貫鉄道があれば、七戸からも野辺地からも、アクセスルートとして使えたことでしょう。
 今となっては夢ですが、既にある公共交通機関を活用する観点から、行政のより積極的な支援があっても良かったように思います。

 ともあれ、レールバスはじめ車輌たちの元気な姿を見て、乗車もできて満足です。今後も末永く動態保存が続いてほしいと思います。
上へ
inserted by FC2 system