一畑電車 2021.8.14 更新 実物鉄道へ 表紙へ

(デハ2101+デハ2111 出雲大社前〜浜山公園北口 2017.3.29)


 私にとっては一畑電気鉄道なのですが、経営難が続いた後、現在同社は持ち株会社となり、鉄道会社としては一畑電車となりました。

 魅力的で雑多なツリカケ車は姿を消し、施設設備も近代化されました。

 出雲市駅は高架化され、地方私鉄らしくありません。
 
 でも車輌はバラエティに富み、のどかな沿線風景も魅力的です。

 元京王の名車5000系も健在で、毎日走っています。

 車輌運用は同社サイトで公開されていますが、あえて見ないで沿線に立ち、「次は何が来るかなー」と待つのも楽しいものです。

(デハ2101+デハ2111 美談〜大寺 2017.3.29)


 半鋼製ツリカケ車に代わって登場したのが、元京王5000系の2100系です。

 4編成があり、全て塗装が異なっています。

 第1〜2編成は、京王時代の面影をよく残しています。特に第1編成は塗装も同じで、遠い昔、子どもの頃に高尾山口駅で見た特急運用を彷彿とさせます。

 第2編成はクリーム色に青帯で、これは一畑電気鉄道時代、自動扉の電車に塗られていた塗装です。
 
 第3〜4編成は、2扉化されてだいぶ雰囲気が違います。
 
 第3編成は、座席も変更されています。
 

(デハ2102+デハ2112 出雲市 2017.3.29)

 

(デハ2102+デハ2112 出雲市 2017.3.29)

(デハ2104+デハ2114 美談〜大寺 2017.3.29)

(デハ2104他・デハ2114他 松江しんじ湖温泉 2017.3.29)

(デハ5109+デハ5110 出雲大社前〜浜山公園北口 2018.8.28)


 2100系同様、元京王5000系を改造したのが5000系です。

 白と黒を基調とした独特の塗装で、2扉クロスシート化されています。

 2編成あり、第2編成は車内が大幅に改装されています。
 座席は文字通りのボックス席となり、木製の仕切りがあって落ち着いた雰囲気です。元京王5000系とは、とても思えません。
 

(デハ5109+デハ5110 遙堪〜高浜 2018.8.28)

 

(デハ5109+デハ5110 出雲大社前 2018.8.28)

(デハ1002+クハ1102 川跡 2017.3.29)


 1000系は、元東急1000系で3編成あります。車内はほぼ原型のままで、ロングシートです。

 全車輌が元中間車に運転台を取り付けたため、切妻で独特の雰囲気です。
 
 ステンレスカーなのに、オレンジ色に塗られ白線を巻いています。これは一畑電気鉄道時代、手動扉車の塗装でした。
 この色でなければ、私はこの電車を好きになれなかったでしょう。無塗装のステンレスカーは、地方私鉄の情景には向いていないと思います。

(デハ7002 電鉄出雲市 2018.8.28)


 最新鋭が7000系電車です。2017年春現在で2輌が在籍し、増備中です。

 一見しておわかりのように、JR四国の7000系を基本とした両運転台車で、車内はやはりボックスシートとロングシートを千鳥型に配置したJR四国標準セミクロスです。
 
 実は私は、このタイプのセミクロスはあまり好きではありません。ボックスシートに座ると、ロングシートに座った乗客の視線が気になるのですね。でもまあ、オールロングシートよりはいいのですが。

 3扉車に見えますが、実際は2扉です。

 下回りはJR西日本225系と共通化が図られているそうですが、これは言われないとわかりませんね。

 
 

(デハ7002 美談〜大寺 2017.3.29)

 

(デハ7002 電鉄出雲市 2018.8.28)

(デハ1002+クハ1102 雲州平田 2017.3.29)


 車庫は北松江線の雲州平田にあります。

 トタン張りの好ましい2線庫が2棟あり、ちょっと大きめのレイアウトセクションのようです。

 車庫の前にはレンガ積みの給水塔が残り、蒸気機関車で開業した頃からの歴史を感じさせます。

(デハニ52 出雲大社前 2017.3.29)


 一畑電気鉄道時代を象徴する電車が、このデハニ50形です。車籍はなく営業運転にはもう使えませんが、2輌が残っています。

 雲州平田の車庫に動態保存されているデハニ53は、体験運転に使用されています。

 左写真は出雲大社前で静態保存されているデハニ52で、車内の見学ができます。

 いいですよねー、デハニ。合造車ですよ。昔から、ぜひ模型化したいと思っている車輌でして、某社製のキットも購入済です。いつ作れるか、わかりませんけど。

 大社線の終点、出雲大社駅は、開業当初から変わらぬ独特のデザインです。旧国鉄大社線の大社駅が純和風なので、あえて違うタイプにしたそうです。

 一畑電気鉄道時代は内外ともに薄汚れていましたが、今はとてもきれいになり、古さをあまり感じさせません。

 左写真の左奥が出雲大社で、多数の飲食店が軒を連ねています。

 参道は若い女性が多く、活気を感じます。

(デハ2101+デハ2111 出雲大社前 2017.3.29)


 私は地方私鉄の持つ、独特の雰囲気が好きです。

 何というか、時間の流れや人々の動きが、都会とは明らかに違うのですね。

 年季の入った建物や車輌は、古さよりも風格を感じます。この安定感は、私の心を落ち着かせます。

 柔らかい座席に座り、ジョイント音と振動に身を任せていると、安らぎを感じます。

 近代化が進み、車輌が代替わりしていっても、このローカルムードは今後も変わらないといいなと思います。
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