富山地方鉄道富山軌道線
実物鉄道へ

(デ7019 大学前 2009.8.11)


 富山地方鉄道は、地方私鉄にしては長大な鉄道線を営業中ですが、富山市内にはささやかながら路面電車もあります。正式には、富山軌道線と称します。
 かつて地方の中堅私鉄が、鉄道線に加えて小規模な市内線を持つ例が多数ありました。
 現在では残念ながら、ここと伊予鉄道、豊橋鉄道のみとなり、大手を含めても東急世田谷線だけしかありません。
 でも、町並みの構成や乗客のニーズに合わせ、高速鉄道と軌道線を組み合わせて輸送する方法は、本来実に優れた発想だと思います。
 地方の県庁所在地クラスの都市では、この方法がもっと導入されても良いのではないでしょうか。
 たとえば千葉市では、莫大な費用を投じてモノレールを建設しましたが、バリアフリーに逆行し、街の景観も損ねています。累積赤字で、路線廃止すら検討されている有様です。軌道線を建設してLRTを頻発運転させれば、安上がりで便利になったように思います。
 

(デ7013 富山駅前 2009.8.11)

 
 富山市内線の主力は、1960年代に製造されたデ7000形。都電8000形の準同型車ですが、そちらが早々に姿を消したのに対し、こちらは元気に活躍中です。万葉線のデ7000形とも扉の位置が違うだけで、そっくりです。

(デ7013 大学前 2009.8.11)


 富山駅前から電車に乗ると、神通川を渡る手前から単線になります。
 終点の大学前は、ご覧の通り簡素な停留所です。
 かつてはこの先、呉羽公園下まで軌道が延びていましたが、戦時中に撤去されて復活しませんでした。

(デ7013 大学前 2009.8.11)

(デ7019他 南富山駅前 2009.8.11)


 もう一方の終点は、南富山駅前。鉄道線との接続駅で、右写真の後方ではレールも繋がっています。
 また、写真の後方には、軌道線の電車が所属する南富山車両区があります。
 ちなみに、右写真の中央から手前に向けて、1975年までは笹津線が延びていました。

(デ7019他 南富山駅前 2009.8.11)

(デ8005 大学前 2009.8.01)


 左写真のデ8000形は、1993年に5輌導入されたインバータ制御のカルダン車です。
 
 2009年12月23日、市内中心部を環状線化する新線が開通しました。縮小する一方だった日本の路面電車としては、久しぶりの新規開業路線です。同時に、超低床車3編成も富山市所有車輌として入線しています。
 将来は富山ライトレールと相互乗り入れの予定です。
 
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