2013北日本旅行記 その@ 旅行記へ 表紙へ
2013.12.23

(キハ40-401 新十津川 2013.12.25)


 2013年の12月23日から28日まで、北日本を旅行してきました。
 こんなに長期間の旅は、久しぶりのことです。
 そして冬の北日本の、自然の厳しさを実感した旅でした。
 簡単ですが、旅行記をまとめたいと思います。皆様の旅の参考になれば幸いです。

 旅に出たのは、年の瀬も押し詰まった12月23日。観光旅行に行く時期ではないのですが、幸いまとまった休みを取れたので、思い切って旅立ちました。
 今回は一人旅ではなく同行者がいるので、そちらの都合もあったのです。
 23日は、その同行者が日中外出しており、家を出たのは夕方になりました。
 当然、夜行列車に乗ることになります。
12月23日(月) 

 旅の始まりはここ。上野駅の「トォ、サンバン」です。
 伝統ある長距離列車ホームも、発車する寝台特急はこの3本だけ。しかも「あけぼの」は3ヶ月後に廃止が決まっています。
 ホームの端に、「カシオペア」と「北斗星」の編成案内が掲示されています。
 「カシオペア」はともかく、「北斗星」はずいぶん寂しくなってしまいました。かつては定期列車だけで3往復、観光シーズンには臨時の「夢空間北斗星」や「エルム」まで出ていたのに、今や1往復です。
 そして今日乗車するのは、その「北斗星」なのです。
 当初は、「北海道&東日本パス」をフルに使った安上がりの旅を予定していました。これは、大人10,000円、子ども5,000円でJR北海道と東日本の普通列車が乗り放題、という大変お得な切符なのです。同行者が小学生なので、2人で15,000円で済むわけです。最近、給料とボーナスが大幅に下がった私としては、これで行きたかったのでした。
 でも、同行者は息子でして、彼は「北斗星乗りたい」とのこと。まあ、「北斗星」もあと1年ほどで廃止されそうですし、今後は乗車の機会が無いかもしれません。
 そんなわけで、最初だけ奮発して札幌までの乗車券と寝台特急券を買いました。
 発車時刻まで、「五つ星広場」で待つことにします。 
 「北斗星」に乗るには、寝台特急券の購入が難関です。寝台券は、ネットでは取れないのです。平日に仕事を終えて駅の窓口へ行ったら、満席になっているでしょう。
 幸い1ヶ月前は祝日で、「10時打ち」が可能です。
 窓口の若い男性社員に意図を説明すると、「10時打ち」に協力してくれて、無事に購入できました。
 しかも、2枚ともソロです。以前、1人で乗ったときはソロが取れず、開放型B寝台でした。今回は、個室寝台で快適な旅になりそうです。
 発車の15分ほど前に、いつも通りの推進運転で入線してきました。
 ただ、やはり個室は人気が高いようで、息子と同じ車輌にはなりませんでした。
 左が私の乗車した5号車。右は息子の乗る9号車です。
 小学生が、一人旅に近い状態になるわけですが、そこは我が息子。旅慣れているので、全く心配はありません。
 私はJRの新しい車輌はあまり好きではありませんが、EF510-500は例外の一つです。精悍なこの機関車は、寝台特急牽引にふさわしいと思います。
 また、EF81牽引の頃より、乗り心地が明らかに良くなっています。以前は前後動が多く、「ドン突き」さえ何度も起きました。
 常磐線の貨物列車牽引仕業がJR貨物に移管されたため、同型9輌がJR貨物に譲渡されたとのことですが、何だかもったいない気がします。青森へ移管し、「あけぼの」牽引に使えば良かったように思うのですが。「あけぼの」の乗り心地は、相変わらずでしたので。
 私が乗ったのは、JR北海道のソロです。
 オハネ25-550番台は、14系座席車の下回りに新製した上回りを乗せた車輌。実質的な新製車で、24系ソロとしては最も新しいタイプです。それだけに良くできていて、客車ソロの完成形と言えそうです。
 「あけぼの」の狭いソロと違って立ったままで着替えができ、テーブルも大きく、入り口の上には広い荷物置き場もあります。荷物の多い私は、この荷物置き場は重宝しました。

 その昔、「はやぶさ」の開放型B寝台で熊本へ行った時は、さすがの私も2日目の午前中は少々つらかったのですが、このソロならそんなことはないでしょう。
 夕食は、食堂車を予約してあります。
 「北斗星」の食堂車利用は、遠い昔に初めて乗ったとき以来です。なにせ高価なので、その後は乗っても駅弁で済ませていました。あとはせいぜい、パブタイムに一杯やったくらいです。
 今回は最後かもしれないので、これも大奮発です。

 食堂車の手前は、半室ロビー。JR北海道車です。
 減便前の、JR東日本車の全室ロビーカーと比べるとささやかですが、バーのような雰囲気でまずまずです。
 右奥は、2部屋あるシャワー室です。
 食堂車「グランシャリオ」は、元電車特急の食堂車とは思えない高級感があり、これもいい感じです。
 
 ディナーは、19時45分から。予約したのは「北斗星懐石御前」です。
 以前食堂車で食べたときはフレンチでしたので、今回は和食にしました。
 実物誌の写真で見た時は、一人前5,500円にしては貧弱な印象だったのですが、食べてみるとかなりのボリュームでした。味付けも上々で、酒が欲しくなります。
 北海道へ行くので、まずはサッポロラガー。続いて男山を冷やでいただきました。

 部屋に戻ると、晩酌タイムです。
 酒は八海山の純米吟醸。新潟の酒ですから北海道行きの列車に合いませんが、近所の酒屋で小さい瓶で売っていたのはこれだけだったのです。まさか一升瓶を抱えて列車に乗るわけにはいきませんから。
 窓の外は素敵な夜景。
 通過するホームを見ると、帰宅するサラリーマンやOLでいっぱいです。
 例年この時期は連日出勤しているので、彼らに同情する反面、ちょっぴり優越感にもひたってしまいました。ごめんね、働く皆さん。
 食堂車で飲んだ後だったので全部は飲まず、瓶を荷物にしまいます。あとは電気を消して、夜景を眺めました。
 ほろ酔い気分でいい感じ。
 電車と違って、ジョイント音だけの客車は静かです。
 眠りに落ちたのは、いつ頃だったでしょうか。
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