2013北日本旅行記 そのC 旅行記へ 前ページへ 表紙へ
2013.12.26

 4日目はいよいよ、「北海道&東日本パス」の本領発揮です。
 「はまなす」は早朝5:39、定刻に青森へ着きました。外はまだ真っ暗で、粉雪が舞っています。
 14系客車のテールライトが、旅情をかき立てます。
 こんな光景、昔はずいぶん見たものでした。
 「はまなす」のカーペットカーの表示は、何とも独特です。確かに、のびのびできたのは間違いありません。ちょっと狭かったけれど。
 他にも特急のグリーン車から座席を転用した「ドリームカー」もあります。
 その車端部には、小さなラウンジもあります。写真の通り安っぽいテーブルと椅子が並び、いろんな方が「場末のスナックみたい」と表現なさっています。
 「はまなす」は回送となり、DE10の到着を静かに待ちます。隣には、やはり回送の青い森鉄道701系が並んでいます。
 さて、我々は6:18、青森発蟹田行きに乗車しました。今日はまず、津軽線に乗るのです。701系の3連なので写真はパス。乗客はほとんどいないのを幸い、車内で前夜に買っておいたパンを食べ、缶コーヒーを飲んで朝食終了。
 蟹田に6:55着。ここは先ほど、「はまなす」で通った駅です。まだ薄暗いホームに降り、待つことしばし、反対ホームに三厩行きが来ます。キハ40の2連です。
 
 蟹田7:07定刻発車。しばらく津軽平野を走ります。
 雪はやみましたが、空は曇ったままです。
 津軽海峡線と別れてから、山間部へ。
 小さな駅をいくつも過ぎ、海岸に出たところが終点の三厩です。
 ホームは島式で、中間駅のような造りです。建設当時は、線路をもっと先に伸ばしたかったのでしょう。
 また、津軽海峡線が勾配の緩い新幹線規格にならなければ、この先から海底へ潜っていったはずです。
 三厩の線路終端部は、駐泊所が建っています。その先は雄大な山脈が見え、ここから先に線路を伸ばすのが難しかった理由がわかります。
 列車は1日僅か5往復。でも、札沼線よりはやる気を感じるダイヤです。時刻の設定はまあ適切で、青森行きの1往復以外は、蟹田で青森行きに接続します。
 駅周辺は普通の漁師町。初めて訪れたので散策をしたかったのですが、乗ってきた列車で折り返すことに。僅か7分の滞在でした。1本遅らせると5時間後とあって、選択の余地はありません。
 進行方向左側に座っていると、早朝の海がよく見えます。
 途中、津軽二股駅は、津軽海峡線の津軽今別駅に隣接しています。次は津軽海峡線に乗るので、ここで乗り換える手もありますが、外は寒そうなのでやめました。
 もうすぐ新幹線の駅もできるのですが、周辺の人家は僅かです。乗客はどのくらい乗るのでしょう。
 発車すると青い50系客車が見えます。青函トンネル用の救援車ですが、今時救援車とはめずらしいですね。
 8:33に蟹田へ戻ります。
 キハ40の2連は、線路を空けるため、いったん青森方へ引き上げ、折り返して側線に入ります。
 8:51、特急「白鳥93号」に乗車。津軽海峡線の蟹田から木古内までは普通列車が走っていないので、「北海道&東日本パス」でも特急料金不要で乗れるのです。
 次の停車駅は、知内。乗客僅少とのことで、3ヶ月後に廃止される駅です。かつてここを走っていた松前線の代替の意味もあったのでしょうが、駅周辺は右写真の通り。これでは廃止もやむを得ないのでしょうね。
 車輌は485系の3000番台です。車齢は古くとも、リニューアルされているので快適です。
 さすがは特急、車内販売があり、昼食用に駅弁を購入しました。
 9:47に木古内着。江差線に乗り換えます。
 ここも「はまなす」で通ってきたところで、なんだか無駄に見えるかもしれませんが、列車本数の少ない路線の旅は、合理的にはいかないのです。まあ、気ままな旅でもありますし。
 江差線の発車は2時間後。今度こそ駅前の散策です。駅本屋は立派ですが何もなく、駅前も閑散としています。

 駅に戻り、構内を観察します。
 5番線まである大きな駅で、側線や駐泊所もありますが、人影は皆無。でも、本州と北海道を結ぶ大動脈ですから、列車はかなり通ります。
 左写真の右奥は、建設中の北海道新幹線です。この部分は、ほぼ完成しています。木古内にも新幹線は止まるのですが、ここも乗客は少なそうですね。

 江差線の列車は、当駅で交換します。
 どちらもキハ40です。
 江差行きは、11:48に発車しました。
 何となく、海岸を走るイメージがあったのですが、終点付近以外は山の中を走ります。
 川の近くを走ることもあり、風情があります。
 ちょうどお昼時となり、車窓を眺めながら駅弁を食べます。「八甲田牛めし弁当」1,000円ナリです。まあ、ごく普通の駅弁ですね。
 12:55江差着。折り返し時間は12分しかなく、今度は駅前の散策はできません。
 駅本屋は、比較的新しい平凡なもの。ホームは片面で、側線もありません。むろん、昔はたくさんあったのでしょうが。

 線路の末端部はこんな感じで、今ひとつローカル線らしさがありません。
 でも、廃線が迫っているとあって、ホーム上では多くの方が、写真を撮りまくっていました。

 13:07江差発。先ほど乗ってきたキハ40の2連です。
 発車後、少しの間は海が見えます。
 木古内に戻ると、再び列車交換です。背後の巨大な新幹線駅が、ミスマッチです。
 今日はこの後、再び青森へ戻ります。
 乗車したのは特急「スーパー白鳥34号」です。スーパーというだけあり、古い485系ではなく、JR北海道の789系8連でした。
 特急券を持たないので、蟹田で下車し、普通列車を40分ほど待ちます。
 日が暮れかかり、寒くなってきた蟹田駅は、閑散としています。でも、物流の大動脈ですから、長編成の貨物列車が次々やってきます。
 コンテナ車ばかりなのは、ちょっと残念ですが。
 16:03蟹田発。三厩からやってきたキハ40の2連で、よく見ると今朝乗った編成です。こうして車輌も青森へ帰るわけですが、やはりロングシートで安っぽい701系より、キハ40がいいですね。
 17:09に青森着。ホテルにチェックインし、荷物を置いたら夕食を食べに出ます。
 外は寒いのですが、幸い雪は降っておらず、快適な夜の散歩です。
 行った先は、「津軽じょっぱり漁屋酒場」という郷土料理のお店。実はこれまで、青森へ来ると必ず寄っている行きつけの店なのです。店員さんにも覚えられてしまい、「また来たね」と言われます。
 このお店のウリは、「この一軒でまるごと青森」だそうで、食べ物から酒まで、青森のものがいろいろそろっています。
 この日はハードスケジュールだったので疲れていて、あまりたくさんは食べられませんでしたが。
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