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2015.12.28

 旅の2日目は、前日に続いて701系から始まります。
 ホテルで遅めの朝食を済ませ、秋田駅へ大館行きに2時間近く乗ります。
 この長時間をオールロングシート車で過ごすのはやはりつらいのですが、乗車した701系が100番台だったのが不幸中の幸い。0番台より座席が柔らかいのです。昨夜はきつかったなぁ。
 9:48定刻に発車。701系は加速が良く、軽快に走ります。
 昨日とは打って変わって、天気も良好です。
 11:33大館着。
 

 大館で、11:55発臨時の弘前行きに乗り換えます。こちらは同じ701系でも0番台。まあ弘前までなら、1時間かからないから我慢しましょう。
 臨時なのに、車内は混雑しています。定期化すればいいのに。
 車窓に目をやると雪原が広がっていますが、幸い雪は降っていません。

 弘前には12:37着。
 弘前では少し時間があったので駅前を散策。駅に戻ってからは駅弁を買います。そして13:06発の五能線列車に乗ります。
 鰺ヶ沢行きキハ40の4連で、車輌は4輌とも500番台でした。ただ、後ろ2輌は深浦止まりです。
 昔ながらのサボを見ると、何だかホッとします。

 13:54に途中の五所川原で下車。津軽鉄道に乗り換えます。
 2年前には乗り損ねたストーブ列車に、久しぶりに乗るのです。
 でも津軽鉄道ホームを見ると、DCが客車を牽引するようです。DLは故障でもしたのでしょうか。ちょっと残念。DLは庫内で、寂しそうにしていました。
 私たちが乗車した客車は、オハ46-2です。

 津軽鉄道の五所川原駅には、相変わらず旧型客車や木造貨車、そして国鉄から来たキハ22の廃車体などが留置されています。
 いいなぁ、こののんびりした雰囲気。大好きです。
 雪の中、というところがまたいいですね。
 今までストーブ列車に乗るときはたいてい吹雪でしたが、今日はまずまずの天気です。

 13:54に発車。車内ではいつも通り、アテンダントのお姉さんがストーブに石炭をくべ、その上でスルメを焼きます。
 乗客のおじさん達は、むろん日本酒を飲み始めます。
 私も飲みたかったけれど、今日はまだ先もあるので、とりあえず昼食。弘前駅弁「ばっちゃ御前」を食べます。これは美味。アテンダントのお姉さんも、好きな弁当だそうです。

 14:58に、終点の津軽中里着。
 私たちはこのまま折り返すのですが、いったん下車しなくてはなりません。
 列車は当然、機回しをします。客車を牽引してきた津軽21が切り離され、終点方向の引き上げ線に走って行き、再び戻ってきて機回し線を通過します。DCの機回しというのは、ちょっと不思議な感じです。昔、銚子電気鉄道のユ101を電車が牽引していた頃、終点の外川で機回しをしていたのが思い出されました。
 改札口で切符を買い、再び乗車。列車は15:22に発車しました。
 

 帰りの車内では、名物の「石炭クッキー」に加え、結局スルメも購入。やはり、ストーブ列車ではこれを食べなくては。
 アテンダントのお姉さんが、手際よく焼いてくださいます。

 スルメが焼き上がりました。
 香ばしくて、おいしいなぁ。
 車窓は平凡な雪原ですが、実はこのあたり、昔は津軽森林鉄道が併走していた場所です。私が幼い頃に全廃された津軽森林鉄道はもちろん見たこともありませんが、津軽半島に長大な路線を持ち、支線は網の目のように張り巡らされていた大規模な森林鉄道でした。いつの日か、廃線跡を歩いてみたいものです。

 16:06、五所川原に戻ってきました。
 跨線橋を渡り五能線ホームに降りると、あたりはすでに暗くなりつつあります。
 津軽線ホームを見ると、津軽21は切り離され、再び機回しを始めます。
 やがて五能線の弘前行きが到着。朝乗ったキハ40の、前半の2連でした。16:11、五所川原発。
 列車は川部で折り返して弘前へ向かうので、私たちは16:45に川部で降車します。
 17:00発の青森行き701系4連に乗車。17:43青森に着きました。
 

 青森では、いつもの行きつけのお店へ行く予定でしたが、駅から結構歩きます。私たちは少々疲れていて雪の中を歩くのは気が乗らず、駅前の郷土料理店に変更しました。
 お店の方は我々のような客の扱いに慣れているようで、「お客さんたち、これから『はまなす』に乗るんだね」と言われます。
 食事が終わり、店を出るときにはりんごをいただきました。
 さあ、本日のクライマックスはこれからです。
 駅に戻り、ホームに降りてカメラを構えます。 

 寒さに耐えながら待つことしばし、21:36にDE10に牽引された急行「はまなす」が入線してきました。
 JR最後の定期急行となったこの列車は、同時に最後の定期客車列車でもあります。
 編成は24系25型寝台車3輌と14系座席車9輌からなる、堂々12連です。
 あと3ヶ月弱で廃止される列車ですが、この迫力ある長編成は素晴らしい。利用客に見放され、短編成化され力尽きた急行が多いのに、最後の急行「はまなす」は有終の美を飾ろうとしています。

 牽引機はED79-20。この機関車の命もあと3ヶ月ですが、疲れた感じは微塵もなく、雪に立ち向かう力強さのみが伝わってきます。
 私たちが乗車したのはオハ14-501。指定席ですがドリームカーではなく、普通の14系座席車です。
 思えば、14系座席車とは長いつきあいでした。7歳の時に乗った臨時特急「つばさ51号」以来ですから、もう40年以上になりますか。でも、いよいよお別れですね。
 22:18、急行「はまなす」は定刻に青森駅を発車しました。さすがは客車列車、車内はいたって静かです。これならよく眠れそうです。
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