2015〜6年北日本旅行記 そのD 前ページへ 旅行記へ 表紙へ
2015.12.31

 旅の5日目は、再び急行「はまなす」の車内で迎えます。
 今日は大晦日。年末年始は青函トンネルが北海道新幹線開業準備のため通れず、今夜の「はまなす」は運休となりますので、この列車が2015年最後の運行です。
 午前3:20、函館駅ではED79-13が連結され、発車準備が進みます。
 ホームには同業者の皆様だけでなく、ふつうの乗客も多数降りてきて、撮影しています。混雑していていい写真が撮れませんが、仕方ないですね。人気列車ですから。

 3:56に函館発。青函トンネルに向かいます。
 私たちが乗車したのはオハ14-507。ドリームカーの座席は大きく倒れるので、やはり快適です。昔は、夜行急行といえばボックスシートだったので、ほとんど眠れませんでしたね。
 オハには発電機が付いていないので、車内はとても静かです。ジョイント音を聞きながら、眠りに落ちます。
 

 6:19定刻に青森着。ホームに出た乗客は、一斉に列車へカメラを向けます。
 私もカメラを持ってうろうろしていたら、昨夜お会いした小倉沙耶さんに呼び止められました。ED79の車番を教えてほしいとのこと。さすがはマニア。記録なさっているのですね。私のカメラの画像を確認し、「13号機です」とお伝えしておきました。
 やがて最後尾にDE10-1761が連結され、逆向きに回送されていきました。

 「はまなす」を見送ってから、ふと向かいのホームを見ると、ED79-7が単機で停まっています。跨線橋を渡って撮りに行くと、「カシオペア」のヘッドマークを付けていました。
 再び跨線橋を渡り、奥羽本線ホームへ。6:52発の大館行き普通列車は、もちろん701系です。まあ私たちは途中の弘前で降りるので、ここは我慢です。
 固いロングシートに座り、昨夜買ったパンを食べます。

 弘前には7:44着。ここで1時間ほど時間があるので、少しだけ弘南鉄道に乗ります。大鰐線の中央弘前は遠いので、乗るのは弘南線の方です。時刻表を見ると、3つ先の新里までなら往復できます。
 電車は元東急の7000系ステンレスカー。車内を見渡すと、つり革に東急百貨店の広告が残っています。
 乗客は10数名。私たち以外は地元の方のようです。

 新里(にさと)は島式ホーム一面の交換可能駅。ホームは簡素な造りです。
 立派な駅本屋がありますが、かなり昔から無人駅になっています。
 駅本屋の横には、蒸気機関車が保存されています。
 かつて五能線を走っていた、国鉄の8620形48640号機です。
 朝日を浴びて、いい感じです。
 弘南鉄道を走った機関車ではありませんが、国鉄の蒸機が無関係な場所に保存されている例はあまたありますし、同じ県内ですので良い住処といえるでしょう。
 廃車になった鉄道車輌のうち、蒸気機関車については貴重な物だという認識が一般市民にも行政にも共有されているので、関係の有無にかかわらず積極的に保存されるようです。
 それに比べ他の車種の扱いは、あまりよくありませんね。

 新里の滞在7分間で、再び7000系に乗車し弘前へ戻ります。電車は館田温泉のヘッドマークを付けています。
 弘前には8:19に戻りました。
 駅構内で、昼食用の駅弁を買います。

 弘前から乗ったのは、これ。
 快速「リゾートしらかみ2号」です。
 キハ48を改造した「くまげら」編成で、4連ですので中間運転台はご覧の通り原型のままです。
 私たちは1号車のキハ48-703に乗車。先頭車ですが座席に座ってしまうと前面展望は今ひとつ。まあ、側窓の車窓を楽しむことにしましょう。
 弘前を8:50定刻に発車しました。
 奥羽本線をしばらく走り、川部でスイッチバックして五能線に入ります。

 五能線内では、千畳敷駅での停車時間が長く、観光ができます。
 私たちも下車し、名勝千畳敷へ向かいます。
 それにしてもこの駅、すごい場所にありますね。左写真の左端がホームです。ホームに立つと、目の前は氷結した岩盤です。
 昔は臨時駅だったそうですが、今でもそんな雰囲気ですね。

 千畳敷の手前には、 「千畳敷海岸隆起生誕200年記念」として、太宰治『津軽』の記念碑が建っています。
 千畳敷の様子は、右写真の通りです。
 絶景というわけではありませんが、この時期の日本海らしい、荒涼とした情景です。
 風もあり、結構な寒さでした。

 再び暖かな車内へ。
  「リゾートしらかみ」は海岸線に沿って走ります。
 冬の日本海はやはり暗く、荒れています。
 さて、そろそろ昼時。駅弁を食べましょう。
 伯養軒の「大人の休日・津軽物語」です。
 青森県産の米をはじめ、地元の食材を使っているとのことで、美味しくいただきました。

 東能代で再びスイッチバックし、終点の秋田に着いたのは13:31。ここで、13:39発の男鹿線列車に乗り換えます。
 男鹿線はキハ48の2連。「くまげら」編成と写真を並べてみると、同じ形式には見えませんね。
 車内はかなり混んでいて、私たちは座れませんでした。
 周囲には、荷物の多い乗客が目立ちます。正月に備えて、秋田へ買い物に行った帰りでしょうか。

 沿線で写真撮影をしようと、船越で下車。
 時刻は14:21。まだ当分は明るいので撮影は十分可能ですが、駅の近くに適当な撮影地点を見つけられませんでした。
 結局、再び駅に戻り、上り列車で秋田へ。やはりキハ48の2連です。
 さすがに少々疲れました。
 ビジネスホテルに荷物を置き、夕食を食べに町へ出ます。
 でも今日は大晦日。駅近くの飲食店は休業だったり、開いていても予約客のみ、あるいは満席で入れません。
 いかんなぁ、予約をしておくべきでした。これでは夕食はコンビニ弁当かも。

 さまよった末、4日前と同じチェーンの焼鳥屋に入りました。
 大晦日に焼き鳥を食べるのは、人生で初の経験です。
 そば屋に入れれば良かったのだけれど、まあ仕方ないですね。

 明日はいよいよ帰宅します。
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