2015〜6年北日本旅行記 そのE 前ページへ 旅行記へ 表紙へ
2016.1.1

 旅の途中で年を越したのは、初めての経験でした。
 そして大晦日に年越しそばを食べなかったのも、物心ついてからは初めてです。
 そして元旦におせち料理や雑煮を食べなかったのも初めて。
 初体験の続く年始は、ビジネスホテルの一室で迎えました。
 朝食はホテルで食べ、秋田駅へ向かいます。何だか、正月らしくないなぁ。
 何となくテンションが低いまま、ホームへ降りると待っていた電車がこれ。
 2016年の初乗りが、701系とは。しかもこの電車に、酒田まで2時間以上も乗るのです。

 秋田発8:58。
 羽越本線はしばらく内陸部を走りますが、やがて海が見えるようになります。冬の日本海は、今日も荒れています。
 途中、待避線の長い信号場がありました。往路で夜間、ずっと待たされたのはここだったかな。昼間見ると、大した場所ではないのだけれど。

 酒田には定刻の11:09に着きました。
 さすがに、座席の固い701系に長時間乗ると疲れます。
 
 酒田はJR東日本の秋田支社と新潟支社の境界で、列車の接続はよくありません。次の列車は12:49発。いったん駅から出て、周辺を散策します。
 ついでに、駅弁も買っておきます。
 ここから先は、キハ47の2連。交直流のデッドセクションのおかげで、交流電車の701系とはお別れです。
 キハ47の下回りは手が加わっていますが、車内は概ね国鉄時代のまま。前面展望は悪いけど、見慣れた車内には安心感があります。
 

 羽越本線は、虫食い状に部分的な複線化がなされています。
 国鉄時代は全線複線を目指したのですが、やがて財政難から工事は凍結され、現在に至ります。
 そのため、車窓を眺めていると複線化工事の遺構が散見されます。
 完成したのに放置されているトンネルも複数あり、もったいなく思うのですが、ここを走る優等列車が特急「いなほ」7往復のみとなった現状では、複線化のメリットに乏しいのでしよう。

 昼食は、酒田駅弁「ががちゃ弁当」です。730円とリーズナブルで、蓋を開けたときはご覧の通り平凡な弁当ですが、これが美味しい。薄味で、米と豆の旨みが口中に広がります。
 他に100円の玉こんにゃくも食べましたが、これもなかなかでした。
 さて、村上には15:04に着きます。僅か3分間の乗り換え時間で慌ただしく跨線橋を渡ると、待っていたのは初見のE129系電車でした。
 ステンレスカーですが701系より座席の座り心地がよく、ボックスシートもあるので車内は快適です。

 15:41新発田着。ここから新津までは、電化区間なのに1往復を除いて気動車列車という特異な区間です。デッドセクションがあるわけではなく、ワンマン運転をする都合なのでしょう。
 15:55発の新津行きは、久しぶりに乗るE120系気動車。と思いきや、2輌目はキハ110ではないですか。こんな編成もあるのですね。
 元旦なのに乗客は多く、車内は混雑しています。

 新津からは、乗り慣れた115系となります。
 低いモーター音も、柔らかい座席も、コイルバネの堅い揺れも、相変わらずです。
 でもE129系が量産されているので、115系はまもなく廃車となります。だから、これが最後の乗車になるかもしれません。
 思えば、115系とは長いつきあいで、ずいぶんお世話になりました。小学生のときに初めて見たのも、乗ったのも上越線でした。そしてお別れも、やはり上越線となりそうです。さようなら。

 途中、長岡と水上で乗り換えます。長岡では、夕食として往路と同様に駅そばを食べました。
 新前橋からはE233系の10連に乗ります。
 この時点で、今回の旅は事実上終了です。

 国鉄型車輌にたくさん乗れた、楽しい旅でした。
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