金属工作について 前ページへ 表紙へ

 鉄道模型を所有している方でも、金属工作の経験者はそれほど多くないと思います。Nゲージはプラ製品が主流ですし、16番ゲージでも皆が真鍮板から自作したりバラキットを組んでいるわけではないでしょう。
 バラキットやパーツ類が高価な上、各種の工具と高度な技能を必要とすることも、金属工作がとっつきにくい原因になっていると思います。
 工作室とか、せめて工作用の机がある方なら、気軽に工作を始められるでしょう。でも、私にはどちらもありません。狭小な住宅に住む身ですから、自分の机すら無いのです。
 そんな私でさえ、何とか工夫して、たまには金属工作をやっています。
 ベニヤ板に切り込みを入れただけの工作板を座卓に置き、定盤は鏡で代用しています。使っている工具は左写真の物が全てで、電動工具は皆無です。
 でも、これで一通りの工作はできるのです。ですから、金属工作の経験のない方も、挑戦してみたらいかがでしょうか。趣味の幅が広がると思いますよ。

 鉄道模型の場合、金属工作は真鍮が主な対象です。切断や切削、穴開けなどをして、各部分をハンダ付けで組んでいきます。
 真鍮は、磨くと美しい光沢を放ちます。塗装前は、独特の気品があります。
 他には洋白も使いますし、ホワイトメタルのパーツもあります。
 真鍮線や真鍮板、帯板などは、各種の寸法の物をストックしておくと、スムーズに作れます。

 私の場合、金属工作でフルスクラッチをする腕は無く、その時間も無いので、キットを利用してディテールアップするのが通例です。
 使用するキットは、いわゆるバラキットです。これはつまり、素材を切断加工した程度のパーツを箱詰めした物と考えてください。プラモデルなどとは大違いで、ぴったり合うパーツをはめ込んで組み立てるわけではないのです。メーカーが完成品を作るために用意したパーツを、セットにして販売しているようなものです。
 もっと簡単に作れるキットも若干ありますが、できあがった時のスタイルや細密度では劣るので、私はやはりバラキットで作ります。でも、経験の無い方はそちらから始めるとよいと思います。その昔、乗工社から出ていたナローのキットはプラモデルに近い感覚で作れましたし、現在ではアルモデル等のキットが組みやすいようです。
 鉄道模型の製作は、常に集中力を必要とします。特にそれが顕著なのが金属工作で、他のことを全て忘れて没頭しないとうまく作れません。心に邪念があると、良い作品にはならないのです。私はそれを逆用し、落ち込んだ時は無理してでも金属工作をして、心の平安を取り戻したりしています。
 さて、以上がいわば総論で、各論は今後、別ページで書いていきたいと思います。
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工具や技法の具体的な解説は、今後書きたいと思います。
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