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(ED403 比奈 2011.8.2)
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岳南鉄道は地方私鉄には珍しく、第二次世界大戦後新たに開業した路線です。製紙工業を中心とする工業製品の輸送を目的として、戦前からあった日産自動車専用鉄道を延長して建設されました
岳南鉄道の最大の特徴は、2012年3月まで貨物営業が日常的に行われていたことでしょう。
そのため、駅の側線は多く、比奈駅付近にはヤードもあります。
そして、突放と車側制動による貨車の入替が、貨物営業廃止時まで行われていたのです。かつて国鉄の操車場で日常的に見られたこの光景も、ここが最後となりました。
合理化や自動化が進む現代社会において、人手による入替作業は人間味が感じられ、私は大好きなのです。 |
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(ED402 比奈 2012.3.12)
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岳南鉄道の貨物輸送でもう一つ特徴的だったのは、最後まで車扱い輸送が中心だったことです。
2万輌以上製造されたワム80000の、最後の拠点でもありました。
私鉄電機には、やはり2軸車が似合います。
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(ED501 比奈 2009.3.27)
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入替に使われていたのは、左写真のED501。もともとは1928年製の上田温泉電気デロ301で、名鉄を経由して入線しました。
車齢80年を超えても、迫力あるモーター音を響かせて活躍していました。
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突放による、ED501の入替風景。
最初にワム80000の編成後方に連結。推進運転で押します。途中で連結器を放し、いったん停車。一呼吸おいて右の側線へ分かれます。ワム80000は惰行で左の側線へ。先頭車輌には制動手が乗っています。制動手はゆっくり進む貨車から降り、最後尾の車輌に再度乗車、側ブレーキをかけて停車させます。
静かになった比奈駅構内に、ED501のコンプレッサー音が重々しく響きます。
(比奈 2009.3.27)
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(比奈 2012.3.12)
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ワム80000だけでなく、コンテナ車の突放もありました。
これは私は他で見たことがありません。
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(ED402 比奈 2012.3.12)
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本線上で貨物列車を牽引するのは、ED40形。松本電気鉄道がダム建設用に2輌新製した電機で、1966年製だけあって近代的なスタイルです。
ED402とED403は、塗装が異なっています。
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(ED403 比奈 2011.8.2)
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(ED402 比奈 2012.3.12)
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ED40形が入替に使われることもあります。
左写真は比奈の側線にワム80000を押し込んでいるところ。
右写真はその先の、大昭和板紙専用線での入替風景です。
貨車を押したり牽いたりする時の、ガチャンガチャンという衝撃音が今も耳に残っています。
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(ED402 比奈 2012.3.12)
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(ED291 岳南富士岡 2009.3.27)
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ED291は、豊川鉄道が1927年に新製した電機。国鉄を経由して入線しました。
現在は休車中ですが、現役時と変わらず美しく整備されています。
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(ED291 岳南富士岡 2009.3.27)
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(比奈 2012.3.12)
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沿線は、吉原から比奈付近まで工場地帯を走ります。時には左写真のように、線路の上を工場の配管類がオーバークロスしています。何だか、工場内を突き抜けて行く感じです。
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(岳南原田 2009.3.27)
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貨車は、長らくワム80000が主力でしたが、末期はさすがにコンテナ車が増えました。
少し前までは、昔ながらのトビ色塗装のワム80000も見受けられました。
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(比奈 2009.3.27)
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(比奈 2012.3.12)
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平日の日中は、比奈駅に貨車がズラリと並び、壮観でした。
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(比奈 2012.3.12)
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岳南富士岡駅構内には、古い台車やトロッコが並んでいます。
右写真は、旧日本陸軍鉄道聯隊の97式軽貨車です。クーラーを載せていますが、もともとは重量物運搬用の貨車で、2輌1組で使っていた物なので、これが正しい使い方だといえます。
(2011.8.2 岳南富士岡)
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(ED402と7001 岳南富士岡 2011.8.2)
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岳南富士岡駅には、2線の車庫があります。
戦後の建築物ですから平凡なトタン張りですが、こじんまりとしていい感じです。
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(8001+8101 岳南江尾 2011.8.2)
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新幹線の高架をくぐると、終点の岳南江尾です。
かつては多数の側線を持ち、専用線も延びていましたが、現在は大半が撤去され、寂しくなっています。
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(7001と7002 岳南江尾 2009.3.27)
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電車は、地方電化私鉄の標準車になりつつある元・京王の3000系。両運は7000形と称し、3輌あります。
片運は8000形。2連1本あります。
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(8001+8101 岳南富士岡 2009.3.27)
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