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(701系2連・583系6連 青森 2012.8.4)


 奥羽本線は、私にとって幼い頃から馴染みのある路線でした。
 秋田県内に親戚があり、何度も乗車する機会があったのです。
 小学生の頃はキハ181系特急「つばさ」や、14系客車による臨時特急「つばさ51号」、キハ58系による急行「おが」などが印象に残っています。
 普通列車は、むろん旧型客車の天下でした。赤いEF75に牽引された茶色の客車列車が、真夏の太陽の下、秋田平野を駆ける光景を今でも鮮明に覚えています。

 
 

(701系3連 青森 2011.12.23)


 さて現在は、ほとんど701系電車になりました。形式名が示す通り、オールロングシートで3扉の通勤電車です。
 車体はステンレス製で箱形。何の特徴もありません。
 701系は登場時、一部の実物誌に「車内が明るくて加速も良好」と書かれていましたが、乗客の立場での長所はそれだけです。
 オールロングシートは旧型客車に慣れた乗客の逸走を招いたそうですが、当たり前の話でしょう。
 ワンマン化して人件費を節約したい一心で、車内は見通しの良いオールロングシートとする。乗降時間短縮のために両開き3扉とする。経営上は合理的なのでしょうが、乗客にとっての視点が感じられません。
 デッキが無いので、ドアの開閉ボタンがあっても真冬は寒く、ロングシートでは駅弁を食べる気にもなれません。
 客車時代より短編成化され、オールロングシートですから、座席数は大幅に減っています。
 乗客に高齢者が多い地方線区に投入すべき車輌ではないと思います。

(701系2連 秋田森 2011.12.24)


 酷評した701系ですが、厳寒期に雪まみれになって活躍する姿は、応援したくなる魅力を持っています。
 雪には強いようで、大雪が降ってもめったに運休せず、軽快に走ります。
 秋田や青森など、都市周辺には市街地が広がっているので、加速の良さを生かし、新駅を設置したら良いのではないでしょうか。客車列車と異なり機回しが不要なので、折り返し時間を短縮し、運転本数を増やすこともできそうに思います。単線区間が多いので、簡単ではないのでしょうが。
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