D終着駅「鴻」  前ページへ 表紙へ

 右カーブを曲がり終えた列車は、しばらく直線区間を走ります。

 やがて、右から線路が近づき、本線と合流します。これは山砂利を積み込むための構外側線です。

 大きな農業倉庫の裏を通り、右に商店街の裏手が見えると鴻駅に到着です。
 
 進行方向に向かって左側には、客車と貨車の廃車体が見えます。

 さあ、他の乗客と一緒に、ホームへ降りましよう。

 当駅の旅客用ホームも片面のみですが、別に上屋付きの貨物ホームがあり、機回し線もあります。その向こうには側線が3本。うち2本の先には複線機関庫も見えます。全体的に、広々とした感じです。
 乗客は改札口へ向かいますが、私たちはホームの先の方へ歩いてみましょう。

 機関庫はかなり大きく、客貨車庫も兼ねているようです。側面の窓が、格子をスライドさせて開閉する「無双窓」になっているのが特徴的です。無双窓は、古い工場や製材所などではよく見かけますが、機関庫や客貨車庫で使っているのは、私は小湊鐵道くらいしか知りません。

 手前側には酸素ボンベや工具類が並び、数名の機関区員が車輌の部品を修理しているようです。

 その右が保線区詰所、さらに右隣が風呂場です。蒸気時代はむろん、ディーゼル化された現代でも、車輌や線路の保守をすると油まみれ、泥まみれになるのです。その周囲は古枕木やバラストが積まれた資材置き場となっており、近所の子どもが母親に見守られながら遊んでいます。

 この位置からでは見えにくいのですが、機関庫の向こう側には一番奥の側線に面して給油設備と燃料倉庫があり、その右隣には乗務員の詰所があります。

 本線は機関庫裏で機回し線と合流し、やがて立派な車止めで終わります。その周囲にはジャンク置き場があり、ドラムカンなどが雑然と置いてあります。
 
 上写真の手前が駅前のタクシー車庫。

 その向こう側が便所。奥が複線機関庫。右が保線区詰所。
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