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(14系15形6連 2008.11.1 熊本)


九州への寝台特急として、最後まで残ったのが「はやぶさ」と「富士」でした。
 最末期には両列車を併結して運行したため、分割して単独列車となるとご覧の通りの短編成。
 最盛期の迫力ある編成を知っている身としては寂しい限りですが、既に実物誌で何度も指摘されているように、九州への寝台特急は、他の交通機関と太刀打ちできる状況ではありませんでした。
 現実には「特急」とは名ばかりで、ひたすらのんびり走ります。目的地に昼頃着くのでは、朝一番の航空機の方が早いのです。
 車輌の老朽化が進み、食堂車はおろか車内販売もなく、個室も少なく、それでいてシティホテルより高い寝台料金を取るのでは、乗客は当然去っていきます。
 でも、車輌はよく整備され、最後まで美しい姿でした。
 赤い交流電機との組み合わせも、色彩的に見事でした。

(2008.11.2 熊本)

 
 今はなき20系客車に比べ、14系の外観は今ひとつ個性に乏しいようです。
 でも平凡なこの顔が、落ち着いた感じで私は好きです。
 金帯ではなく白帯車であるところも、派手さがなくて好ましく思われます。

(2007.8.3)


 趣味人としては、とても楽しいのが下関と門司での機関車付け替えです。
 関門トンネル用のEF81が先頭に付くのですが、多数の人手と悠長な時間が必要でした。
 でも、いかにも人間が動かしているのだという感じがして、何度見ても見飽きない光景でした。

(2008.11.1)

(2008.11.1)


 九州では、交流機のED76が牽引します。
 ヘッドマークが魅力的です。

  (2008.11.1)

(2008.11.1)


 車内の様子。
 左写真が、編成の3分の2を占めるB寝台。昔ながらの開放式です。
 グループ旅行には向いていますし、私も他の愛好者と知り合って語り合った経験もあり、それはそれで良いものですが、普通の乗客にとっては、ここで長時間を過ごすのは辛いでしょう。
 でも、食堂車やロビーカーは既に無く、他に行く所も無いのです。
 右写真は、一度だけ乗車したA寝台シングルデラックス。今日の感覚ではシンプルで、全然デラックスではないのですが、周りを気にしなくて良いのでやはり快適でした。

 (2007.8.4)



   

(2008.11.1 熊本)


 悲惨な文章が多くて恐縮ですが、やはり最後はJRの会社側から見捨てられ、野垂れ死にしたような印象が強く残ります。
 6輌編成のうち、個室車は僅か2輌。
 先に廃止した寝台特急で使われていた個室車は、形式の違いや所属会社の違いで転用されず。
 短距離の昼行特急ですら大抵は車内販売があるのに、長時間食料が手に入らない理不尽。
 走行時間が長いのに、テレビもシャワーも無し。

 でもやはり、他の乗客と会話しながら過ごす昔ながらの汽車旅は、趣味や観光のためには実に良いものでした。

(2008.11.3 東京)


 「富士」と併結した「はやぶさ」は、EF66の牽引で東京へ向かいます。
 右写真は、東京駅到着後、EF66が切り離され、去って行くところ。
 この後、機回しをして反対側に連結し、回送するのです。
 東京駅での機回し風景も、もう見られなくなりました。

(2008.11.3 東京)

(2008.11.3 東京)


 EF66を切り離し、客車だけとなった「はやぶさ」
 最末期は「富士」と併結していたため、分割可能な14系15形で編成を組成していました。
 でも、14系は長らく新製されておらず、老朽化が目立ちました。右写真の通り、トップナンバーすら健在だったのです。趣味的にはともかく、乗客サービスの面ではやはり無理が感じられました。
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