2013北日本旅行記 そのE 旅行記へ 前ページへ 表紙へ
2013.12.28〜29

 旅行日程も、あと1日ちょっとです。
 実質的な最終日となった29日の天候は、前日以上の大荒れでした。
 天気が良ければいろいろ行けたのでしょうが、結局昼頃までホテルにいて、昼過ぎに701系の2連に乗車しました。
 羽後本荘で下車し、由利高原鉄道に乗り換えます。旧国鉄の矢島線を転換した第三セクターです。
 空は暗く、強風で横なぐりの雪が吹き付けます。

 私たちが乗車した気動車は、YR1501。新潟鐵工製の16m車で、NDCとしては最も初期のタイプです。
 豪雪地帯なので、富士重工のレールバスにしなかったのは賢明でした。
 車体の窓下には、今どき珍しくサボが付いています。
 車内はすいていて、貸し切りに近い状態です。

 線路は雪に埋もれ、雪原を走っている感じです。
 終点の矢島駅構内は、さすがに除雪され、近代的な車庫も建っています。
 車庫の前には、18m車のYR2002が留置されています。
 予定では駅前を散策するはずですが、この天候では無理。待合室をフラフラしただけで、再び乗車しました。

 矢島まで往復し、羽後本荘に戻ります。
 次に乗るのは「きらきらうえつ」です。
 485系を改造したリゾート列車で、全面展望が良いのがウリです。幸い、先頭車最前列の席を取ることができ、ご機嫌です。
 

 ホームでは、駅員さんたちが横断幕を持ってお見送り。
 14:50に、由利高原鉄道のYR1501と同時発車し、しばらく併走します。
 私は車内の探検へ。最大の特徴は、2号車がラウンジになっていることです。テーブルを挟んで派手なボックスシートが並び、売店で購入した飲食物をここで食べられます。
 売店のメニューは豊富で、飲み物と弁当の他、菓子や土産物、各種のグッズもありました。地酒のセットもあります。
 「きらきら弁当」には興味がわきましたが、時刻はすでに15時過ぎ。昼食は秋田で食べてきたし、弁当という時間ではないので缶ビールとおつまみを買いました。
 ラウンジカーは大きな窓が特徴ですが、前面展望の方が良いのでここには座らず、自席に戻って食べました。
 さてその前面展望ですが、確かに迫力があるものの、トンネルが多いのは困りものです。そして夕闇が迫ってくるとカーテンが降りてしまい、他の席と変わらなくなりました。残念です。
 約3時間半の乗車の後、新潟に18:32、定刻に到着しました。

 夕食は、駅前の「河童」という郷土料理のお店です。
 OLらしき隣席のお姉さん方が騒々しく、煙草もガンガン吸うので燻製にされそうな気がしましたが、彼女たちが退店してから静かで落ち着いた空間となり、料理もおいしく食べられました。
 駅に戻ると、この旅をしめくくる「ムーンライトえちご」が待っています。
 以前乗ったときは165系の9連でしたが、今は485系の6連です。でも、国鉄色が嬉しいところ。やはり国鉄特急型は、この色でなければ。
 乗車すると、「全車満席です」との車内放送。前に乗ったときもそうでした。安価に移動でき、時刻の設定も良いこの列車は、利便性が高いのでしょう。私は久しぶりに乗りましたが。
 思えば、蒲原鉄道や新潟交通が廃止されてから、新潟には足が向かなくなっていましたね。当時はこの列車を重宝したものでしたが。

 この「ムーンライトえちご」もその後、間もなく廃止されました。いつもあんなにたくさん乗っていたのに。JRは、何としても夜行列車を廃止したいのですね。必要とする乗客はいるというのに。
 さて、国鉄色の485系は、車輌は古くとも、車内は清潔で快適でした。乗り心地も良く、ぐっすり眠って早朝、新宿に着きました。



 天候には恵まれませんでしたが、北日本の自然の厳しさを実感した旅となりました。
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