2015〜6年北日本旅行記 その@ 旅行記へ 表紙へ
2015.12.27

 2015年の年末、再び北日本へ旅立ちました。
 今回も息子との2人旅。しかも、相変わらず「北海道&東日本パス」を使った安上がりな旅です。何せ、2人で2万円ちょっとで1週間、普通列車が乗り放題なのですから。急行券を買えば、「はまなす」にも乗れます。
 

 心配なのは、北日本に暴風雪警報が出ていること。
 暴風雪ですよ。大丈夫かな。
 でも新年は多忙になるのがわかっています。この機会を逃したら、たぶん1年以上は長い旅に出られないでしょう。
 これは無理してでも行くしかない。
 はたして、どんな旅になるのでしょうか。

 早朝5:10、上野駅6番線ホームは静かでした。
 これから乗車する高崎行きは、E231系の10連です。終点の高崎まで乗るのですが、約1時間40分をこの電車の固い座席で過ごすのかと思うと、やや気分が重くなります。
 5:13、定刻に発車。
 

 6:55、高崎着。ここから上越線に乗り換えます。
 普通列車で北へ向かうには、太平洋側の東北本線経由がはるかに早く着きます。でも車輌を考えて、上越線と羽越本線経由としました。東北本線北部を走る701系は、好きになれないのです。
 そんなわけで、今日の目的地は秋田です。途中の大半は、旧国鉄車の車内で過ごすことになるでしょう。楽しみです。

 さて、跨線橋を渡って降りた6番線で待つのは、湘南色の115系4連。やはり上越線はこれでなくては。しかも乗車したクハ115-1134は未更新車です。これは幸先良さそうですね。
 ボックス席に座り、ここで朝食。早朝にセブンイレブンで買っておいたパンを食べます。
 

 ホームの反対側には、両毛線の小山行き107系がいます。これも、いつまで見られるかな。
 7:10、定刻に発車。重いモーター音がいいですね。懐かしいなぁ。少し前まで上越線や高崎線の普通列車は、115系ばかりだったのが思い出されます。

 途中、渋川にはクモヤ145-107が停まっていました。
 沼田を過ぎ、山間部へ入ると雪がちらつき始めました。ちょっと不安になります。

 8:14、水上駅1番線着。ここで長岡行きに乗り換えです。
 跨線橋を渡った2番線に停車しているのは、新潟色の115系2連を2本つないだ4連。通常は2連なのを、年末ということで増結したのでしょう。
 全身に雪をまとい、力強さを感じます。なにせM車のみの4連なのです。
 クモハ115-1534に乗車。8:24定刻に発車しました。

 途中駅はこんな感じ。
 豪雪というほどではなく、このままなら行程に大きな影響はなさそうです。
 ああ、よかった。

 10:21、終点の長岡着。
 乗り換え時間は6分ですが、電車が遅れているとのこと。
 待ち時間を利用し、駅構内の立ち食いそば屋「長岡庵」で、早めの昼食をとることにしました。私は490円の天玉そばを、おいしくいただきました。

 115系3連の快速新潟行きは、13分遅れの10:40に発車しました。乗車したのは、クモハ115-1553です。
 
 雪はすでにやみ、やがて青空が広がりはじめました。何だ、大したことないですね。天気予報は外れです。
 新潟に着いたのは、やはり13分遅れの11:40。乗車する村上行きは11:43発ですから、ちょっときわどい乗り換えでした。
 乗ったのはまたも115系で、2連+3連の5連です。

 5分遅れの13:02に村上着。昔は「ムーンライトえちご」で何度か来た、懐かしい駅です。
 乗り換える羽越本線の普通列車は、なんと国鉄急行色のキハ47でした。この色だと、キハ66+67みたいですね。

 酒田行きは、キハ47-1514+511の2連です。この先に直流と交流のデッドセクションがあるため、普通列車は気動車による運行となっています。
 まあ、短編成で走れる交直流電車はなく、高価でもあるので気動車を使っているのは合理的ではあります。
 特急はむろん、電車。常磐線を追われたE653系の7連です。

 13:35定刻に発車。 座席は柔らかく、快適な乗り心地です。
 

 エンジン音をうならせた列車は、やがて日本海沿いを走ります。
 空は暗く、波は荒れています。
 でも幸い、風も雪もあまりひどくなさそうです。

 途中、対向列車の遅れにより、5分遅れの16:01に酒田へ着きました。
 

 反対ホームに待つ秋田行きは、ついに出た701系。あぁ、固い座席のオールロングシート車で、秋田まで2時間を過ごすのかぁ。覚悟していたとはいえ、思わずため息が出ます。
 乗車して待つこと30分、発車時刻になりましたが運転士さんが来ません。息子が駅本屋に聞きに行くと、悪天候による対向列車の大幅な遅れで、当分発車できないとのこと。まあ、このあたりは単線ですから仕方ないですね。
 でも、そんなに激しい天気には見えないんだけどな。空は青いし、風もあまりないし。


 待ち時間で、「きらきらうえつ」の発車シーンも見ることができました。2年前の北日本旅行で乗車した、思い出の電車です。今日は乗れないのが残念だなぁ。
 
 さて、大幅に遅れて上りの特急「いなほ」が到着しました。乗客はさすがに、ほとんど乗っていません。
 「いなほ」が出た後、我らが701系にも運転士さんが登場しました。若くて小柄な女性です。今の「いなほ」に乗ってきたのかもしれません。ワンマンカーですから、彼女がたった1人でこの編成を秋田まで運転するわけです。何だか、すごいなぁ。
 2輌編成の乗客は30名ほどです。
 17:49に発車。この時間は本来、次発の電車の発車時刻ですが、そのスジを使って走るのだそうです。
 車窓は平穏。2時間後には、ホテルの部屋でくつろぐことができるでしょう。
 いい一日でした。

 発車した秋田行き701系の前途は多難でした。
 風が突然ひどくなり、雪がたたきつけるように降ってきます。

 電車は運転指令の指示により、25km制限に。自転車並ですね。運転士さんはノッチを少し入れるとすぐ戻し、制限速度を超えないように必死です。
 これではたして、秋田に着けるのでしょうか。

 やがて停止の指示が出ました。外は真っ暗。明かりは何も見えません。海が近い気配がありますが、ここがどこかもわかりません。

 強風で車体が揺れます。後ろのクハは、車体が軽いので大揺れです。

 かなりたって、ようやく運転再開。

 でも、少し走ってまた停まります。対向列車と交換だそうです。信号場のようで、やはり周囲は真っ暗です。
 横なぐりの雪が、窓を覆い始めました。このままでは、車体が凍結して動けなくなるのでは。
 以前、青森で留置中のキハ40のブレーキが凍結して動けなくなり、津軽線の列車が運休したことが思い出されます。

 偉いのは、運転士さん。乗客の幼い男の子や、息子に声をかけ、不安を取り除こうとしてくれます。若い女性なのに、がんばってますね。
 「15分ほど停車します」とのことでしたが、時間が過ぎても対向列車は来ません。運転士さんは、しきりに無線で連絡を取っています。

 30分以上待ったでしょうか。真っ暗な前方に、EF510のヘッドライトが見えてきました。

 
やっと来た! よかったぁ〜!

 思わず叫んだのは、私…ではなく
運転士さん
 やはりとっても心細かったのでしょうね。
 雪まみれの貨物列車とすれ違い、信号が青になってようやく発車。

 その後もしばらく25km制限が続き、沿岸部から離れてようやく加速できました。

 秋田に着いたのは3時間遅れの21:12。ともかく、到着です。
 運転士さんにお礼を言おうかと思いましたが、忙しそうにしていたのでやめました。

 宿に荷物を置くと、遅い夕食を食べに行きます。
 ふつうの飲食店は閉店時間で、結局焼き鳥のチェーン店に。食事も安上がりな旅となりました。

 
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