南部縦貫鉄道2018@ 2019.1.6新設 実物鉄道へ 表紙へ

 南部縦貫鉄道が惜しまれながら休止し、その後廃止されてからも、魅力的な車輌たちは車庫の中で大切に保存されてきました。しかも、静態保存ではなく動態保存。七戸駅構内も、そのままです。
 何より嬉しいのは年に一度、ゴールデンウィーク中に2日間、七戸駅構内を走行し、体験乗車もできることです。
 例年この時期は忙しく、行きたくても行けないままでしたが、レールバスの寿命があと何年あるかわかりません。そこで何とか都合をつけ、「レールバスとあそぼう2018」に参加してきました。

 残念ながら予報では天気が悪いようですが、日程は選ぶ余地がなく、強行します。大雨にはならないようなので、イベント自体は開催されるでしょう。綺麗な写真は望み薄ですが。

          ※写真は全て2018年5月4日撮影。

 現役時代の様子は南部縦貫鉄道1996ページをご覧ください。

 現役時代、初めて訪問したときは583系臨時特急『はくつる81号』で野辺地駅に降り立ちましたが、今は無く、残念ながら新幹線で行きます。

 七戸十和田駅で下車。改札口を出て振り返ると、天井近くに「改札を入りますと、トイレ・売店はございません」と大きな掲示が。さすがに無人駅ではないけれど、雰囲気はローカル線です。

 駅前に出ると、駅舎は巨大です。さすが新幹線。でも人影は見当たりませんが…。
 タクシーに乗り、旧七戸駅へ。

 懐かしい旧七戸駅前に着きました。
 タクシーを降り立つと、往事のままの本社兼駅本屋が。その向こうに見えるのはレールバス! ああ、昔のままです。

 天気が悪いのが残念ですが、まあ仕方ない。早速、売店となっている待合室を通り改札口を抜けて、ホームへ向かいます。

 おおっ、まぎれもないレールバス!
 キハ102です。21年ぶりの再会でした。

 それにしてもこのホームといい「レールバスのりば」の案内板といい、現役時代のままではないですか! 看板は作り直したかもしれませんが。
 2番線に停まっていますが、現役時代は1番線に停車しているところしか見ておらず、そこだけ少し違います。

 すぐ右には、キハ101もいます。今日は2輌とも動くようです。

 力強いエンジン音とともに、乗客を乗せたレールバスが走っています。

 いいなぁ、この光景。

 構内には腕木式信号機も立っています。

 駅構内を往復するだけですが、レールバスが再び走っている姿を見られるのはやはり感動的です。
 入線する線路を変える演出もあり、見ていて飽きません。

 一通り撮影したので、さあ、乗ってみましょう。

 車内も見事に現役時代のまま。あぁ、懐かしい。

 運転席左側には、タブレットも入っています。

 座席はモケットではなく、ビニールシート張り。昔の気動車は、こうだったんですよね。子どもの頃に乗った小湊鐵道のキハ6100形も同様でした。

 窓は上段が丸みを帯びたHゴム鋼体直接取り付けの「バス窓」です。


 運転士さんは、現役時代に実際に運転なさっていた方とのこと。慣れた手つきで操作し、発車です。

 大して速度を上げていないのに、すごい騒音と振動。これも現役時代のままです。板バネしかない2軸車ですから、貨車みたいなもの。固い揺れが体に響きます。そして線路状態も良くないから、まあ揺れる揺れる。今回はまだしも、現役時代に速度を上げると乗り心地は実にワイルドでした。
 
 さあ、このまま野辺地駅へ…行ければ良いのですが、線路は駅構内の外れで終わっています。その先は立派な国道4号線。つまり、もうこれ以上線路を延ばすのは不可能なのですね。

 車止めの前で停車し、運転士さんは反対側の運転台へ。機械式気動車ですから、ブレーキハンドルに加えて長いシフトレバーも外して持って行きます。
 そういえば、私は機械式気動車にはこれしか乗ったこと無かったな。

 降車してからは、しばらく駅構内を散策します。

 2番ホームの情景、いいですね。草むした土のホーム上に立つ、木製の駅名標。木製の電柱と、そこに下がる笠付き電灯。
 背後のトタン張り車庫には、手書きの「安」「全」「第」「一」看板。
 レイアウトで再現したいです。

 駅の待合室には、通票閉塞機や鉄道電話、現役時代の時刻表などが展示されています。そう、時刻表は手書きだったのですよね。

 車庫の裏へ回ってみます。
 現役時代、ここは荒れ放題で雑草が生い茂っていましたが、今はかなり綺麗になりました。
 車庫の左側に見える仮設テントは臨時の売店で、私はここで昼食を購入しました。
 
 振り返るとそこには農業倉庫。
 その横には金属製の白い倉庫が3つ並び…あれっ、廃車体じゃないですか!

 空き地を隔てた右側には、同型車がさらに多数並んでいます。
 現役時代、このあたりは十和田市方向へ延伸予定の線路でしたから、廃車体は廃線後に運び込まれたのでしょう。

 私はレールバスを眺めながら、昼食にしました。

 午後になると、車庫の内外で動きが。エンジン音も複数聞こえます。

 やがてキハ104がゆっくりと顔を出しました。
 
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