小湊鐵道の台風被害2019① 2020.1.19新設 実物鉄道へ 表紙へ

(キハ207 五井 2019.9.17)


 2013年、2015年と台風や豪雨で一部区間が不通となった小湊鐵道。
 不運なことに2019年に、またもや大きな被害を出しました。
 今回の被害をもたらしたのは、2つの台風と、台風崩れの低気圧による豪雨です。
 被害状況と対応、復旧へのあゆみをまとめてみました。

 なお、2013年の台風被害と、2015年の豪雨被害は、それぞれのページで報告済です。



 2019年9月9日(月)未明に上陸した台風15号は、「関東地方に上陸したものとしては史上最強クラス」で、各地に大きな被害をもたらしました。
 小湊鐵道は始発から全線運休となり、13日(金)にようやく五井~上総山田間の運転が再開されました。
 

 上総山田まで運転が再開された4日後、五井駅に停車中のキハ207には手書きの行先表示板が入っていました。
 始発から不通になったため、キハ200形の大半は朝の上り列車に備えて上総牛久駅に留置中でした。
 そのまま帰って来られなくなり、五井機関区はガラガラです。

 単行のキハ207は、僅かな乗客を乗せて発車しました。

 上総山田駅手前で、手旗信号によりいったん停車します。
 2灯式の場外信号機は点灯していますが、駅構内の信号システムが復旧していないのでしょうか。
 緑の旗で、運転再開。ゆっくりと駅構内に入ります。

 降車して構内を見渡すと、保線用トロリー小屋が倒壊しています。すさまじい強風だったのでしょう。
 駅本屋内には、右のような掲示が。

(キハ207 上総山田 2019.9.17)


 乗ってきたキハ207は2番線に到着しましたが、乗客を降ろすと五井方向へいったん引き上げ、折り返して1番線へ転線してきました。
 2番線が下りホーム、1番線が上りホームですから、信号機の関係で転線が必要なのでしょう。

(キハ207 上総山田 2019.9.17)


 駅前で代行バスを待ちますが、時間を過ぎても到着しません。
 地元の方のお話では、道路の被害も大きく国道以外は不通区間が多いため、車が国道へ集中して混雑がひどいのだそうです。
 
 やっと到着した代行バスは、何と懐かしの「バナナ住宅」号!

 2015年の豪雨被害でも代行バスとして活躍した車で、今どき珍しく床が木製です。

 乗客を乗せると、代行バスはすぐ発車。
 車窓からは台風の大きな被害がありありと見えます。屋根が壊れた家が多いのですが、潰れた倉庫や倒壊した塀も見えました。

 小湊鐵道沿線では、通信線を修理中。これが復旧しないと運行再開できません。
 
 光風台駅は跨線橋の屋根が破損しています。駅構内ではパワーショベルが作業中でした。

 馬立~上総牛久間では、線路上に高所作業車がいました。ここも通信線が破損したのでしょう。

 上総牛久駅に到着。この先は県道が不通なので、代行バスはここまでです。

 上総牛久駅の構内は、五井に帰れなくなったキハ200形がズラリ。

 社員の皆さまはじめ、関係者の皆さまの懸命な努力で不通区間は徐々に短縮し、9月21日には全線の運行が再開されました。
 錆びた線路も輝きを取り戻しました。
 
 ところが、1ヵ月もたたないうちに再び大きな被害を受けてしまいます。それは次ページにまとめます。
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